不死身のテロリストと人間との戦いを描いた桜井画門先生の傑作SF漫画『亜人』。
『亜人』３巻は永井圭（佐藤健）を佐藤（綾野剛）が研究所ないで奪還するところから物語は始まります。
そして、佐藤は永井を連れ出したときの永井の行動から、亜人とは異なる違和感を感じます。
亜人になる前、人間として根本的に欠落している何かを佐藤は読み取りました。
妹の永井慧理子（浜辺美波）からは人間のクズと呼ばれ、『亜人』３巻までで、読者も共感できないぐらいのクズっぷりを発揮する永井圭ですが、その本来の思考がどのようなものなのか？という謎が明かされるのは、もう少し後の巻数になります。
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目次
亜人３巻 本当の永井圭 1
永井圭奪還のために人間を殺しまくった佐藤は、永井に対して「気になるかい？」と質問をします。
それに対して、永井は
「ここを守るのがこの人たちの仕事でしょうし、もう死んじゃってますしね。」
と冷めた言葉をつぶやきます。
一方、研究室ではオグラ・イクヤが亜人の黒い幽霊IBMについて説明をします。
IBMは物質であり、ガラスが光を８０％透過する物質なのに対して、IBMは光を１００％透過する物質で構成されていると言います。
それに対し、日本の研究員たちは、突拍子もないことだとバカにします。
永井と佐藤は研究施設を脱出する際に、警備員ではない施術者達と遭遇。
永井は佐藤に助けるように懇願しますが、佐藤は万全を期するために皆殺しにするよう殺し始めたところ、永井が止めに入り、誤って佐藤を銃殺してしまいます。
それにキレた佐藤は永井を殺すと宣言しました。
『亜人』３巻の冒頭は研究所内での戦闘シーンがメインとなっていますが、それ以外にも亜人に対する新知識がいくつも出てきます。
その一つがオグラ・イクヤのIBMが１００％光を透過する物質だということ。
そして、もうひとつが、この後に佐藤が口にする、「亜人も死ぬ。」ということです。
この部分の亜人の知識については、続刊の中で重要な部分の知識になります。
そして、ここから永井と佐藤との対決が始まりますが、アニメ版の『亜人』ではテレビを意識したのか表現がぼかされて描かれていますが、漫画版の『亜人』では原作者の桜井画門が描ききった戦闘シーンが存分に描かれているところも注目！
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亜人３巻 本当の永井圭 2
永井圭が助けた研究員の一人が、永井圭を脱出させるために逃走路を教えます。
【人間VS亜人】であったはずの構造に良い意味でのほころびが出た瞬間でした。
これは続刊での伏線だともとらえることができます。
戦闘経験が豊富な佐藤を前に、永井が崩れ落ちかけたころ、永井のIBMが姿を現します。
佐藤は冷静に永井のIBMを分析します。
その結果、佐藤は永井のIBMの種類に興味を持ちます。
この部分は続刊の戦闘シーンで生かされてくるので、しっかりと読むことをお勧めします。
永井は佐藤の攻撃を切り抜け、脱出経路の屋上へと向かいます。
一方、佐藤は研究員の一人が部屋で隠れていることを知り、IBMを出して追い込みます。
その際、出てくる会話により、IBMは人間には見えないが、強い感情を向けられたとき、人間にもIBMが見えることがあると言うことを話します。
その強い感情の一つが殺意だと、佐藤のIBMは語ります。
この後の殺害シーンなどは、かなり岩明均さん原作の『寄生獣』を意識した構図となっているので、漫画好きにはたまらないですね。
屋上にて、永井に助けられた研究員が逃亡の手続きをしているときに、永井圭の心の声が口からもれます。
うーん、本当に永井圭のクズっぷりにはビックリしますよね（笑）
どうして、永井圭がここまでクズなのかについては、『亜人』の続刊で出てくるのでお楽しみにしていてください。
亜人３巻 本当の永井圭 3
屋上で永井の逃走をてつだおうとした研究員が、永井をかばったために佐藤に打たれます。
それを見るや否や研究員が助からないとわかると、感情もなく割り切り、逃走経路を再確認します。
モノゴトを合理的に考える思考は幼少期から始まっていたと、妹の永井慧理子の回想シーンが蘇ります。
それまで仲の良かった海斗のことを、犯罪者の息子ということで、切り捨てる永井圭に対し、海斗に恋心を持っていた永井慧理子は憎しみを持ち始めました。
本当に、永井圭のクズっぷりはスゴイです（笑）
しかし、研究員が生きていると言うことがわかったときに、永井圭は研究員を見捨てずに助けに行きます。
そして、佐藤とIBM通しの対決が始まります。
桜井画門さんの画力はやはりスゴく、かなり臨場感あふれる戦闘シーンです。
そして、そのIBM通しの戦闘シーンで、永井と佐藤のIBMの頭通しがぶつかり、お互いの意識が共有されます。
この時の混線した映像が、後の伏線になってくるので、しっかりと見逃さないようにしましょうね。
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亜人３巻 作戦A 佐藤と田中が生中継で全国放送へ
永井圭が放水路に飛び込み逃げたのに対して、佐藤と田中の二人は全国放送の中継カメラで作戦Aを結構します。
佐藤は自分たちが亜人だと言うことを生中継の全国放送で話し、亜人を捕まえたときの報酬が０円だと言うことを言います。
さらには、保護された亜人が人体実験されるという事実を、WEBじょうにアップしたと告知をします。
更に佐藤は告知をします。
２日後の厚労省前に抗議活動をすると言うのですが、その実、ある方法で亜人だけを集めることが目的でした。
亜人３巻 舞台裏
佐藤と田中たちの生放送について、国は全面虚偽であると放送しました。
しかし、本当のところは亜人の不死身の能力は人体実験としてあらゆるところで活用されていました。
経済動物としての亜人を取り逃してしまったことで、戸崎は焦り、亜人研究の第一人者のオグラ・イクヤをアメリカに戻さないためにボディガードを殺し、オグラ・イクヤを亜人によって殺されたことにします。
そして、なぜ戸崎は強硬しなければならないのか？という悲しいストーリーが『亜人』３巻の巻末では描かれています。
亜人３巻の感想まとめ
『亜人』３巻では永井圭の研究所からの奪還という大きな物語の中に、永井圭の人間としての欠陥や、妹の永井慧理子の海斗に対する思いや、佐藤の奇想天外な戦略、そして、戸崎の追い詰められることになった物語が、過激な戦闘シーンの中に盛り込まれています。
亜人という未知の能力に対する新たな知識なども盛り込められており、非常に重要な巻数なのだと言えます。
そして、それらを圧倒的な画力で、まるで映画を観ているかのように展開させる原作者の桜井画門さんには圧巻です。
もし、まだ読まれていないのであれば、一度手に取ってみることをお勧めします。
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