山田 芳裕先生が描くSFサバイバル作品である『望郷太郎』では主人公の舞鶴太郎が五百年ぶりに人工冬眠から目覚めた彼が見た物は変わり果てた世界だったのです、祖国「日本」を目指す舞鶴太郎の前には様々な過酷な試練が待ち受けているのでした。『望郷太郎』１２巻ではブシフとの戦いに終止符を打つ太郎、そんな中でマーの発行権はブシフではなく、ヒューマの国が実権を握っていると驚愕の真実を知るのです。
『望郷太郎』１２巻では第九十九話から百七話までが収録されています。
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漫画『望郷太郎』1１巻ネタバレ｜「紙のマー対石のマー」
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目次
第九十九話 大 枚
鳥形のドローンを操るブシフの兵のスキを見て屋敷への侵入をするパルとハッタ、自分が殺された時のことをハッタに頼んだパル、その頃に太郎の元にプリの千切れた腕が運ばれて来たのです。それを元に何かを作る太郎がブシフの兵に交渉をします、太郎とオロヤンは紙のマーを出しそこにはプリの腕から取られた血判が入っていたのです。ブシフよりも良い待遇を出すという太郎、オロヤンもプリを殺せばこの話はないと言い他の兵にも伝えるようにマーを渡すのです。
一方でロープを使いブシフの屋敷に潜入したパルやハッタは鳥形ドローンを操作する兵士を次々と倒して行きます、兵を人質に取り降参を促すパルですが、兵はブシフを神と言い抵抗をやめないのです、それを見たハッタは彼等が「人の牧場」の出身だと気が付いたのでした。そして兵団長からリンパ将軍に警護兵が全て消えてしまい屋敷内の兵しか残っていないと報告が入ります、驚いた顔をするリンパ将軍、太郎とオロヤンの作戦が見事に成功したのです。
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第百話 攪 乱
太郎のマーで寝返ったブシフの兵により形勢が逆転し、パルたちがドローンを止めたのを見た王宮軍が反撃を始めます。リンパ将軍から状況を聞いたブシフは太郎の仕業と考え自分と妻が非難する時間を稼ぐように命令を出します。娘であるメイの出身のヒューマの国に逃げようとするブシフ、自分の作戦が成功した太郎は札を刷る話をオロヤンに伝え「インフレ」が起きないように発行権が全てを決めると言うのです。ブシフもその方法で儲けていると言う太郎に同じ方法で儲けるのか聞くオロヤンですが、太郎にはそこまでマリョウに関わる意思はないのでした。
ドローンを操る兵士を拘束したハッタですが、人の牧場で育った彼等を殺すことはしなかったのです、神はブシフだけでは無いという兵士、その時にリンパ将軍の部隊が現れたのです。銃を手にハッタや王宮兵を撃つリンパ将軍、未知なる武器に驚愕するハッタ、そしてパルもあの武器には覚えがあったのです。銃を向けるリンパ将軍に鳥形ドローンを盾に突撃するハッタ、爆発を恐れて打てないリンパ将軍を倒すことに成功しますが腹を撃たれて重傷を負ってしまいます。そして止血をするハッタにパルや王宮兵は必ずブシフを捕まえるとハッタに伝え屋敷の奥に進んでいくのです。
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第百一話 末 路
ブシフの居場所を探る太郎たち、パルの部隊はブシフの医者を見つけ出し居場所を聞くのです。そして太郎たちはメイと孫を見つけたのです、そして第二夫人と合流しメイや医者を待つブシフは船を使い東の奥に進むというのでした。その時に爆発音が鳴り太郎たちがにげ現れます、逃げようとするブシフですが太郎は孫を人質にするのでした。それを見て体調を崩すブシフ、苦しむブシフを前に太郎はヤープト村と戦争させないためと言い、彼が石のマーで支配している状態よりマシだと言い捨てます。それに対しブシフは発行権ではなく管理権を持っていると言い返すのでした。
マリョウをでかい牧場と言うブシフは前王のジャークでさえ自分が王にしたと言い、それを聞いた太郎はヒューマの国が発行権を持っていると気が付くのです。日本の国はもう無いと言い逃げるブシフの兵とパルたちが激突します、逃げる中で体調を崩し倒れるブシフにハッタが薬を差し出します。ブシフに薬を飲ませるハッタ、それは人の牧場の兵が持っていた自殺用の薬だったのです。自らが渡した薬で死ぬブシフ、こうして長き戦いも終わりを告げたのです。
第百二話 語り草
ブシフを倒したマリョウに奴隷の禁止の法が裁判で決まります、東の村の仲間を思い出すプリですが王宮の代償も大きく行方が分からないマー貸しの情報をムサジに太郎は問い詰めます。ヒューマの国の船に乗ったと聞かされた太郎、そしてヒューマの国は始めからマリョウを領土にするために造ったと聞かされたのです。それでも太郎は日本に行き娘の断片を探りたいと考えています。
太郎にヒューマの国に交渉をして欲しいと頼むプリですが、太郎はこれ以上関わりたくないとそれを断ります。プリの理想を聞かされ努力をするとは言った物のマーの発行権は渡せないと言い切る太郎、そしてハッタにマリョウに残るのかを問うのでした。その頃にアーチン村に着いたエプターは宴の音に気が付きます、それは自分たちを祝う宴では無くギレーマや他の者の首がさらされていたのでした。今までの恨みを晴らすと村長に言われるエプター、間もなく彼の首も宴の中でさらされてしまうのでした。
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第百三話 国 営
ブシフが死にリョウ教の力が強くなると考えたプリは自分の息子のフィッツを神にした新しい宗教を考えており、太郎がいなくなったことを残念に思いながらもマリョウを変えようと考えるのです。一方でハッタとオロヤンに別れを告げた太郎とパルはウラジオストクに向かうことにし、プリの願いを二人に託してマリョウを後にしたのです。そしてコール市にいるブシフの部下の現像師からヒューマの国からの技術と聞かされた太郎はバッテリーの話を聞かされるのでした。
自分の古の機会が動いて満足している様子のロックはヒューマの国に攻められても対策があると言い、太郎が再びマリョウに来たら国が変わっているかもと伝えます。ロックは地下に戦車を隠しており、もしもの時にはそれを使いコール市の独立を考えていたのでした、マリョウを後にした太郎はパルに思うことが無いかと聞き、向かう先のヒューマの国も人にとっては一筋縄ではいかないと話すのです。
第百四話 大 観
南下しながら景色を堪能する太郎たち、弓の腕も上がりパルに褒められた太郎の元に衛兵が焦って戻って来るのでした。そこに会ったのはパンダと兵士の死体そしてとんでもなく大きな足跡だったのです、巨大なヘラ鹿だと聞かされた太郎とパル、パンダを食料にして衛兵を弔った後に太郎は皆に今が氷河期だと伝え動物が大きくなると言うのです。
太郎の話を聞きパルが南の方で動物が大きい理由を問います、寒い地域で強くなった動物がエサを求めて住みよい場所に来ていると言う太郎、それを聞いたパルはヒューマの国も生き残っていると考えたのです。この先を用心しながら進むように促す太郎、そして遂にウラジオストクの海が見えて来たのです。その広大な光景に見とれていたのも束の間です、人が居る建物を衛兵が発見しマー貸しのモルとゴーサがいるかもと考え皆は武器を構えるのでした。
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第百五話 能 源
小舟を確認した太郎たち、さらには倉庫から砂糖やコーヒー豆も見つけ人がいるのを確信し奥の倉庫に突入します。石矢を構え倉庫の中の人間を降伏させた太郎たちはマー貸しが七日前にヒューマの国へ行ったと聞かされます、捕らえた男たちからブシフの牧場から奴隷を送っていたと聞かされた太郎ですが、彼等がまだ何かを隠していると感じたのです。口を割らずに死を選ぶと言う男たちの中で一人がマーを船に積んだと言い出したのでした。
村から連れられて無理やり働かされていたと言う男に村に返すと約束する太郎、話の中でリチウムとニッケルがマーに使われている理由がヒューマの国が電気を蓄えるためだと気が付いた太郎、全ての戦争はヒューマの国が電気を蓄えるためだったのです。衛兵や捕らえられた村人と別れた太郎とパルは北東のワニノから樺太そして北海道を目指すのです、そんな中で村人を見た太郎はマーと関わらない方が幸せなのかもと感じてしまうのです。
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第百六話 歓 喜
ワニノに着いた太郎の前には樺太がうっすらと見えて来ます、ソリを使い一気に駆け抜ける作戦を取る二人ですが道がうねっており少しながら進んで行くのでした。その中で最後の極寒のキャンプを張る二人、太郎は日本が近づき気持ちが高まっていたのです。凍った宗谷岬を抜ける中で道に迷った太郎ですが、目の前に廃墟を見つけコンビニの看板を見つけ出したのです。日本語を見て故郷に辿り着いたと喜ぶ太郎は歓喜の笑いと涙を流すのでした。
パルの警告を受けながらも嬉しさから廃墟で日本食を探す太郎は味噌とインスタントラーメンを見つけます、久しぶりの日本食に喜ぶ太郎にパルは北海道がヒューマの国ではないと言うのです。このまま本州まで行くことを考えていた太郎、そしてパルの問いに太郎が目指すのはヒューマの国そして自分が家族と住んでいた東京だと答えるのです。
第百七話 禁 区
日本の川で鮭の川上りを見て驚くパル、大量に捕った鮭で食料には困らなくなった状態で先ずは函館までを目的にします。札幌などの街々を抜けて進んで行く二人の前に人影が現れたのでした。ヒューマの国の人では無いと考えた太郎はこの土地のことを聞くために敵意がないことを示すためにパンダの毛皮と鮭を差し出します。そして彼等が日本語を使っていると驚く太郎は自分は日本人だと言うのです。そして彼等はドーナンの者だと答えて来たのでした。
他にも村があると聞きホッとした顔をした太郎、ヒューマの国の名を知らないと言う彼等は、ハコダテに大きな穴があると言います。青函トンネルを禁区と聞かされた太郎とパルですが、船が無い以上そこを通るしかないのです。ドーナンの者から手榴弾を受け取った太郎たちはハコダテに向かい青函トンネルの前に着きます。駆け抜けるしかないと考え進む二人、その先にはヒューマの国があるのでしょうか。
『望郷太郎』１２巻のまとめ
『望郷太郎』１２巻ではブシフとの戦いを終えマリョウを後にした太郎、ヒューマの国に向かう為に北海道に着いた太郎は日本に帰って来たと実感し涙を流します。そして、ドーナンの者から青函トンネルの話を聞いた太郎とパルは本州に渡るため、そこを突き抜けることにするのです。
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