【完結】漫画『ハチミツとクローバー』10巻ネタバレや感想など｜それぞれの未来…

テレビアニメ化・実写映画化・実写ドラマ化もされた、羽海野チカ先生の大人気恋愛漫画の『ハチミツとクローバー』。

10巻では、物語の終わりに向けてそれぞれが未来を見つめていきます。そして、拭いきれない青春も溢れています。それぞれが選んだ道に注目していただきたいです。

漫画『ハチミツとクローバー』10巻には第61話～第64話＋番外編＋あとがきが収録されています。

: 漫画『ハチミツとクローバー』9巻ネタバレや感想など｜森田家の謎が解明！

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1 第61話
2 第62話
3 第63話
4 第64話
5 漫画『ハチミツとクローバー』10巻　まとめ
6 知らなきゃ損する！漫画好きのための電子書籍サービス

第61話

羽海野チカ

森田ははぐみに｢生きていてくれればそれでいい｣｢一緒にいられればいい｣と抱きしめて優しく伝えます。

しかし、その森田の優しい言葉から、はぐみは森田に何かあったのだと悟ります。

場面は一転。花本研究室は荷造りを終えていました。とりあえず3年ははぐみのリハビリに付き合うため、大学は休職すると決意したのです。誰にも言わず、もちろんはぐみにも伝えずに。

しかし、ここでタイミング悪く王子様・森田の帰還です。竹本に｢どうして俺を選べと言わないのか｣と問い詰められますが、花本ははぐらかして病院へと向かいます。

大人の男だからでしょうか、その辺は伝えられないのでしょうか…。

森田と過ごしていたはぐみですが、右手の異変に気付き病院へ戻ろうとするも、森谷引き止められます。しかし、

｢手が死んじゃう｣

｢描けなくなったら私も死ぬ｣

そう言って森田を説得し、病院へ戻ります。

病院へ戻ったはぐみはすぐに花本の元へ駆け寄ります。そして、殴られました。当然といえば当然ですが…2人にしか分かり合えない気持ちもあったのでしょう。

花本は、てっきりはぐみは森田と一緒に生きていくのかと覚悟していました。

しかし、はぐみの出した答えは全く違うものだったのです。

｢修ちゃんの人性を私にください｣

はぐみは、花本のそばで一生一緒に絵を描き続けていく人生を選んだのです。｢返せるか分からないけど…｣と言葉を濁すはぐみですが、花本は拍子抜けしたように倒れ込み、｢全部やるよ｣と答えるのです。

森田とはぐみは制作において、きっと凡人には到底分からないような、通じるものがあったのでしょう。だからこそ、森田もはぐみの『描きたい』という思いを理解し、尊重出来たのではないでしょうか。

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第62話

はぐみはまだ小さい頃から花本のそばにいることが好きだった。雨の音のように落ち着くから、と。そして、優しくて、私の大事な人だ、と。

研究室で酒を煽って寝てしまった森田と竹本は、朝か夕方かも分からない5時の土手でコンビニ飯を食らうが、あまりの眩しさに、朝だと気付かされます…。

そしてここから、はぐみを想う2人の本音をぶちまけた殴り合いが始まるのです…！！

きっかけは魚肉ソーセージの取り合いでした…それが、売り言葉に買い言葉で白熱していく…！

お互い、はぐみを幸せにできるのは自分ではないと分かっていながら、悔しい思いを抱えて持て余していたのです。｢はぐみを幸せに出来るのは先生しかいない｣と…。

朝焼けの土手で殴り合う2人を眺める、散歩老人たち…青春が舞い降りたとまた輝くのでした…。

そしてまた青春の若者？が1人生まれます。

花本の研究室にこっそり大金を置いた森田はすぐに気付かれ、多くの金を返されます。しかし一部の金を受け取った花本は｢絶対にまた描けるようになるから｣｢耳を揃えて返す！｣と森田に告げます。

研究室の花本と中庭の森田…森田は、はぐみのことが好きなのか、と花本に問います。

｢あぁ、好きさ！大好きさ！！｣

花本は叫びます。が、後ろには山田が…！そしてご老人の研究者たちが…！！

…青春祭り始まりです。

第63話

花本の突然の告白に動揺を隠せない山田…そこへスペインから真山が現れます。真山もニヤニヤが止まらない様子…みんな、花本の気持ちは何となく気付いていたけど、まさか本当に！？といったところでしょうか。

山田は、森田を送ったことに対して、また自分が余計なことをしたのではないかと真山に打ち明けますが、真山は｢なるべくしてなった｣と言います。

はぐみもきっと森田が好きだけど、何を人生の軸にして生きていくかの違いだろう、と。『』に生きるのか、なにか『やり遂げなければならないモノ』なのかは本能が決めること…と。

山田は納得がいかないようで、野宮にこのことを話すが、辛い例えで追い詰められ泣いてしまいます…野宮が、｢もう真山のことを考えるのを辞めろ｣と言えば済む話なのに…野宮も青春を再びこじらせたのかもしれません。

はぐみはリハビリに粘土がいいと聞き、山田に教わりたいし、最初の作品は山田にプレゼントしたい、と前を向き始めました。そして2つめは、新しいお母さんと産まれてくる赤ちゃんにあげるのだと、きちんと未来を見られるようになっています。

はぐみの時間はどんどん進んでいきます。

文章ではなく漫画で読みたい方にオススメ！

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第64話

野宮は納品のため、山田と一緒に横浜に来ています。美和子から仲直りのドライブと称しての仕事です。

そこで山田は｢一緒にいない方がいいのかも｣と持ち出します。まだ真山のことを忘れられなくて野宮のことを傷付けるから…と。それを聞いた野宮は

｢じゃあ今日は送るの勘弁させて…｣

と早々に立ち去ろうとしますが、それを見た山田は堪えきれずに涙が溢れます。

野宮は、そんな山田を放っておけないし、ここまできたらとことん本音で一緒にいようと提案します。正直真山のこと引きずられると傷付くけど、離れても解決しないから、ちゃんと話をして、けんかしながらも、一緒にいよう、と。

山田と野宮の未来もまた、少しずつですが前に進もうとしています。

真山と結ばれない山田にどうしても感情移入してしまいますが、前の恋に決着を付けること、新しいに進むことを教えてくれたのが山田でした。

森田もまた、アメリカでピーターと仕事をする事に決めたことを森田兄に話します。

はぐみには｢ずっと見てるから｣と言われてことも。そんなこと言われたら頑張るしかないじゃん、と森田は言います。ずっと森田兄の復讐に付き合っていた森田にとって、自分の人生が開けた瞬間でもありました。

森田の人生も、前に進もうとしています。

そして、森田兄の人生も。

はぐみと竹本の卒業祝いにいつものメンバーで集まり、森田はウェブカメラでいつでも会えると言いつつ姿を現さないのが森田らしいというか…竹本の送別会も兼ねており、うっかり

｢最後だから｣

という単語が出てみんなして泣きそうになるなど、こちらにもどれだけの濃い時間を共に過してきたかが伺えて、泣けてきます…。

はぐみと竹本にアイスを買いに行かせ、道中桜吹雪の中で、竹本はこの東京での暮らしを夢のようだったと考えていました。

はぐみは、竹本に負けないくらい頑張る、でないと花本に何も返せないから、と決意を語るが、竹本は

｢何も返さなくていい｣

｢先生が自分で見つける｣

｢先生はそれを見つけられる人だから｣

と、はぐみに強く伝えます。きっと、はぐみの肩の荷も降りたのではないでしょうか。

翌日、アパートを出た竹本はいつものパン屋の帰りのはぐみを見かけます。しかしサヨナラは昨日したから、今日は話しかけないでおこう、そう決めて、桜とはぐみを目に焼き付けます。

そして新幹線に乗り込む時、なんとはぐみが竹本の元にやって来るのです！思わず抱きしめる竹本、はぐみの手には差し入れだから、と大きなサンドイッチが。

1斤丸々のゴーカイなサンドイッチの中身は、はちみつと四葉のクローバーでした。竹本のために、はぐみが集めたクローバーでしょう。

竹本は、上手くいかなかった恋に意味はあるのかと思っていたが、このサンドイッチを見て、はぐみを好きになってよかった、みんなと過ごした日々が思い出になってずっと懐かしく付きまとうのだと…。

時が経てば全て思い出になります。でも、甘い痛みを伴いながらも、ずっとずっと懐かしむのだと、竹本はサンドイッチを通して感じるのでした。