漫画『無職転生』第4巻は、町が突如光と炎に包まれ、それと同時にルディは以前の中年男性の姿に戻ってしまいます。
周りは何もない光の中で泣き崩れている時に、人神(ヒトガミ)と名乗る正体不明の男が声を掛けます。そして彼から町を包んだ光や炎により“魔大陸”へ連れて来られたと言われます…。
漫画『無職転生』第4巻では第17話~第21話までが収録されています。
第17話 神のお告げ
空に浮かぶ赤い球体が突然爆発し、ルディのいた町が光と炎に包まれました。気が付くとルディは前世の中年男性の姿に戻っており、周りは何もない光の中でした。ルディとして歩んだ日々は夢だったのかと嘆き涙していると、人神(ヒトガミ)と名乗る男が話しかけて来ます。
そして彼が“君の味方だよ、ひとつ君に助言を授けよう。いいかい、よくお聞き…”と話した瞬間、中年男性はまたもルディの姿になっており、見知らぬ崖の下にいました。安心したのも束の間、目の前に一匹の魔物が突如襲いかかります。
しかし即座に剣技で魔物は倒され、ルディはギレーヌと思い振り返ると全く違い、エメラルドグリーンの髪と赤い宝石を額に付けた男が目の前に立っていました。
彼はスペルド族の男であり、以前ロキシーからスペルド族には絶対に近づかない様に言われた事を思い出し、恐ろしくなります。
それでもどうにか逃げられるかと心を落ち着かせようとした時、酷い頭痛がして、気が付くとまた光の中で中年男性の姿に戻っていました。
すると今度は元に戻った事に失望し涙しながらも、“わかりきったことだ、あんな幸せで順調な人生、俺に送れるはずがない…。今までのは全部夢だったんだ…”と自らの状態を直視します。
すると“いいや、夢じゃないよ”と人神(ヒトガミ)が再び声を掛け、町を包んだ光は“魔力災害”だと話します。そして光に触れた事により、“魔大陸”へ転移したと告げます…。
“夢はいつか覚める”なんていう酷な言葉がありますが、ここでは“覚めた夢”からまた新たなる旅へと始まるので、絶望で終わる事がないと感じられました。ある意味ルディは、次のステップへと進んだのだと思われます。
無職転生 異世界行ったら本気出す 4巻
第18話 詐欺師
気が付くと、ルディの姿に戻っており、隣にはエリスが眠っていた。人神(ヒトガミ)曰く、目の前にいるスペルド族の男に頼り、助ける事を助言されます。
ただ、ロキシーから危険だと言われているスペルド族には絶対近づかない様に言われていた為にルディは、戸惑っていました。そこでルディは、自らの判断で行動する事にし、一言挨拶をしてみます。
すると彼は受け答えをし、続けてルディが自己紹介をすると、彼も“ルイジェルド・スペルディア”と自らの名前を明かします。
またルディは“神の使い”かと尋ねると、ルイジェルドはイマイチ理解していない様でした。逆にルイジェルドが“お前は俺を見ても怖くないのか?”と聞き返すと、ルディはルイジェルドの隣に座り“僕たちはあなたに助けていただいたんじゃないでしょうか?”と聞きます。
ルイジェルドはそのとおりだと答え、放っておく事はできなかったとの事です。ルディもまた、助けてくれた人を怖がるのは失礼だと言い、ルイジェルドは“お前は不思議な子だな、だが悪くはない”言ったのでした。
そんななか近くで眠っていたエリスが目を覚ましますが、スペルド族であるルイジェルドの姿を見るなり“キイイイイヤヤヤヤヤスペルド族っっ!!!”と悲鳴を上げつつ、泣き叫びます。それに対し、ルイジェルドの取った行動は…。
噂はつくづく恐ろしいものだと思い、ルイジェルドはそれによってエリスにかなり恐れられてしまった事が印象的でした。また噂と真相はかなり違う事も伝えられていると思われます。
第19話 ギブ&テイク
ルディはルイジェルドと同行するうえで、エリスをアスラまで送り届ける事にします。その道中でおびただしい数の魔物が襲いかかり、エリスはナイフで、ルディは杖の魔術で撃退します。
しかし残りの一体にルディとエリスが襲撃されようとしますが、ルイジェルドが魔物を撃退した事で難を逃れます。
一同はルイジェルドの住む村に到着しますが、村の集落入り口に立っていた少年ロインがルディとエリスを指し、怪しい者を集落に入れる事はできない、さっさと立ち去れと言いつつ、ルディに槍を向けます。
すると彼の目の前にルイジェルドが立ち槍の矛先を握り、強い剣幕で“貴様…こんな子どもを見捨てるつもりか…?”とルディとエリスを指摘し言います。
そんな時、ロインの背後から村の長老ロックスがやって来て、ルディらを集落に入れてあげる様にロインに言います。ルディ達は、ロックスにアスラまでの道のりについて聞くと、最寄りの町から決められた航路でしか行けないうえ、かなりの年数がかかると言われ、途方に暮れます。
そこへルイジェルドが、“俺がついていく、そしてふたりを必ずアスラまで送り届ける”と名乗り出ます。
ロックスは、ルイジェルドが100年前に討伐隊を組んだ事を指摘し、もし道中の町に行けば衛兵に追い回されると言ってきます。するとルイジェルドは、“町の人間を皆殺しにしてでもふたりを救い出す”と言い出します…。
この回からルイジェルドの壮絶な過去が明かされていきますが、その事によって物語や人物像にかなり厚みが出て来ている様に思われます。更にルイジェルドのややヴァイオレンスな性格も見え隠れして、何やらただならぬ気配もしてきたなと感じました。
第20話 冒険者ギルド
ルイジェルドはかつて魔神ラプラスの配下として活動したものの、彼を含む戦士団は敵味方の区別なく殺戮を繰り返し、その中でルイジェルドの子供も亡くなったそうです。
その後ルイジェルドは、子供を死に追いやったラプラスを倒したものの、スペルド族の悪評は残りました。何としてもこの悪評をなくしたいと言うルイジェルドに対し、ルディは手伝わせてくれと名乗り出ます。
かくして再びルディ・エリス・ルイジェルドの三人による旅が始まったのでした。そして次の目的地であるリカリスの町まで辿り着き、一同は城壁の入口から入っていきます。その際に、ルイジェルドは兜や毛皮等で変装していたものの、周囲からは余計に怪しまれていました。
またこの町の門番が“金を稼ぐなら冒険者ギルドだな。あと最近このあたりをうろついている…“デッドエンド”に気をつけな…”と言われたのが気がかりでした。
“デッドエンド”が何なのか聞くと、それは“俺だ、一部ではそう呼ばれている”とルイジェルドが答えた事にルディは一瞬背筋が凍ります。数々の強者達が集う「冒険者ギルド」の中に入り、群衆を前にルディはルイジェルドを盾に啖呵を切ります。
すると周囲はドッと笑い出し、スペルド族は緑色の髪なのにルイジェルドは青だったのが、なお信じられなかった様です。周囲から野次が飛ぶなか、ルディ達は受付で「冒険者登録」を記入します。
実はこれら全て、ルイジェルドの悪評を払拭する為に、ルディが考えた作戦でした。
先ずルイジェルドの髪を染料で青くさせ、“ミグルド族の青年ロイス”のフリをさせます。そして有名になりたい“ロイス”がある日、二人の子供を助けた際に“デッドエンド(ルイジェルド)”について語るというものでした。
自分の名前を語る事に抵抗を覚えていたルイジェルドでしたが、“偽ルイジェルド”という事にしようとルディは提案します。そして、周囲に“偽ルイジェルドはいい奴”という噂が流れ、それがあいまいになり“ルイジェルドはいい奴”という流れになるという仕組みをルディは告げます。
ルイジェルドがやや不安がるなか、“僕が全力でサポートします、僕に任せてください!この作戦、ぜったい成功させてみせる‼”と、作戦実行に移ります…。
町の光景といい、住民の様子といい、「西遊記」や「ドラゴンクエスト」の様な世界観を感じ取る事ができます。ルイジェルドがその雰囲気に合わせる様に鎧を被った姿も面白く、何気にダースベイダーを意識している感じも印象的でした。
第21話 赤毛のフード
一同は町の宿屋で一夜を明かす事となり、エリスが部屋の中で体を洗っていた(ルディとルイジェルドは外で待機)時の事です。エリスは以前、ギレーヌと共に川で水浴びをした時の事を思い出していました。
その際にエリスは、3人(エリス・ルディ・ギレーヌ)でいつか冒険者になろうと言いますが、それに対しギレーヌは“私がいつまでもふたりのそばにいられるとは限らないぞ。だからなお嬢様、あたしがもしふたりから離れてしまったときは、お嬢様がルーデウスを守るんだぞ”と答えました。
そして本当にギレーヌと離ればなれになった事に複雑な思いを抱いていました。
着替えが終わり部屋から出て来たエリスで、この際にルディが赤毛隠し用にと買ってくれたフードを着てきたのでした。しかしフードに対して、ルディは何も言わず流したので、エリスはちょっとガッカリした様子でした。
そこへ、数人の若者がエリスに声を掛け食事に誘うも、エリスは無視してその場を立ち去ろうとします。若者の一人が引き止めようとエリスのフードを引っ張ると、一部が少しビリッと破れます。
その瞬間、エリスは烈火の如く怒り、若者達をボコボコにし、そのまま部屋に戻っていきます。
エリスの怒りの元は若者達だけではなく、周囲から子供扱いされる、ギレーヌと離ればになる、ルディがフードに気付いてくれない等という、様々な思いによるものでした。するとルディはふて寝していたエリスのもとに寄り添い、“ごめんね、気づいてあげられなくて。エリスが不安にならないよう、アスラまで送り届けられるよう、僕も頑張るから、絶対に頑張りましょう”と言い、エリスも“…うん…!”と答えました。きっとうまくいくはず、そう思っていたルディでしたが…。
前巻の最後でも、思わぬ波乱が待ち構えていたと思いきや、今回もまた予想だにしない事が起こり、ますます目が離せません。またもルディは、試練の波を越えなければならない状態にあるのかなと読む者をドキドキさせている様に思えます。
