第5巻は、“鏖の魔女”が出した手紙に対し、零はある一つの計算方法で「解答」を出そうとしていました。やがて「解答」が出て、零は“鏖の魔女”の「解答パネル」に「解答」入力を試みます。しかしその後零達を待っていたのは、更なるいばらの道でした…。
漫画『賭博覇王伝 零』5巻には第33話～第42話までが収録されています。
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目次
第33話 法則
この部屋が“一辺14.14メートルの√2の部屋”であり、紙に書かれた“兵隊”は数列で、“砲丸”が小数点を意味し、“9番目と10番目”を自分達で計算して出す必要があると零は言います。
そして（並んだ兵士の頭に書かれた数字による）数値“1.41421356□□”の小数点以下を出し、地道に計算（掛け算）する必要があるとも告げ、“1.41421356×1.41421356”という計算を地道に行う事を零は提案しました。
他にも計算方法があるのではと周りの男達が言いますが、零はそれこそ“魔女の罠”だと言い、“この掛け算さえ乗り切れば…後は足し算でいける…！”と言います。
すると近くにいた男が居ても立っても居られなくなったのか、紙とペンを取り出し計算を始めようとしますが、そこへ零が“終わった…！”と告げます。
そして零は周りの者に対し、何故“掛け算が一回だけ…1.41421356だけでいいのか？”という理由、“一つ上がりの掛け算の絶対的法則”について説明を始めます…。
果てしない数とも言える掛け算、及び足し算を短時間で解くなんて、零は無茶苦茶言うなと思いました。ただ大きな答えを出すには、小さな積み重ねが大事なのかなと思いました。
第34話 検算
零は“1.41421356□×1.41421356□”という掛け算を使えばミスを防ぎ、答えを見いだせると言います。やがてそのやり方で計算をしていたユウキや他の男達三名ができたと言い出し、零が答え合わせを始めます。
矢が飛び出た壁が零達に向かって迫りくるなか、零や三人の計算した紙を見たところ、皆同じ答えで“1.999999993287873600”でした。
あともう一人、参加者の村上が懸命に計算しているのを零が声を掛け、“合う筈だ…もし互いに計算間違いをしてなければ…その数値はピタリと…！”と言います。
“馬鹿言えっ…！合う訳ねえ…！こんな長ったらしい…”と愚痴をこぼしつつ村上は計算を終え、自ら答え合わせをすると言い出し、零から紙を取り上げ自分の答えと照合した結果…。
数学が苦手な自分としては本当に頭がこんがらがりそうな内容でした。しかし、コツが分かれば道が開けるのが、零が提案する計算の法則なのかなと思えました。
第35話 権利
零が「解答」を出そうと計算しているなか、村上が正解は“語呂合わせ（1414(いよいよ)［21］35640（みごろしゼロ））”ではないかと言う一方、もう一人の者が“1414(いよいよ)［21］35639（みごろさナイン）”と言い、周囲は惑わされます。
それに対し、板倉はそんなのは戯言だ、頭を冷やせと反論します。
そんな彼等に対し、零は“約束したはずだ…！勝負の決断…その全てをオレに委ねると…”と告げ、板倉も“オレ達は誓った…！零に任せると…”と、焦りと興奮が冷めない村上ら周りの男達に言い聞かせました。
そして零は「解答」を出し、“鏖の魔女”の胸部の電子パネルの部分に“解答”の数字と「決定」ボタンを入力、“ゲーム終了…！鏖の魔女…負けだ…！お前の…！”と心で呟きます。
零が選択した「解答」は…「不正解」であり、零や男達に向けて槍の壁が刻々と迫って来たのでした…。
零が「不正解」を出した時の様に、自信を持って出した意見が弾かれた時の挫折感は大きいのではないでしょうか。一つの行動や言動により、周りの見る目も変わってしまったりもするので怖いと感じます。
第36話 決壊
「不正解」を出してしまった零に対し、村上は思わず“リーダー失格っ…！”と叫び零を突き飛ばし、正解は先程言った“語呂合わせの合致”だと言い、“鏖の魔女”の電子パネルに目を向けます。
彼の前に板倉が立ち、“（村上の答えは）却下”と言い、続けて“破滅だっ…！そんなクソ解答っ…！血迷ってんじゃねえっ…！”と責します。
更に末崎が立ち上がり零の傍に寄り、彼の頬を叩きます。そして、“ボォーとすんなっ…！”解け…！解くんだよっ…！お前が！死に物狂いでっ…！”と言い零の前に手紙を叩き付け、“任せたぞ零…！”とも告げます。
しかし村上達の怒りの矛先はやがて、このゲームでの“生き地獄”へ引きずり込んだ“張本人”である末崎に向けられ、“こいつを殺せっ！”殺せっ…！”等と言い末崎を責め、板倉は彼等を止めようとします。
制限時間は残り3分となり、槍が突き出た壁が迫るなか、村上達の“狂気”も高まり板倉は彼等の行動を止めるのも限界に達していました。
そんななか零は、再び二枚の手紙と睨めっこしており、解答を見出そうとしていました。そして、ある部分を見落としていた事に気付きます…。
唯一、末崎が格好良く見える回だと思え、ゲームに命を掛けている事が感じられました。切羽詰まった際に、中々まともな事を言うのは難しいと思いました。
第37話 死守
零は手紙に書かれている“右に11人並んでいる”と書かれた数字に意味があると見ましたが、その直後に村上達から執拗な蹴りを浴びます。彼等は“こいつが間違えるから悪いっ…！”“諸悪の根源”とまで言っては零を蹴り、止めるユウキや板倉までも殴ります。
そして村上は先程の“語呂合わせの数字”をパネルに入力しようとしますが、今度は末崎が止めにかかります。槍の壁が迫りくる一方で、またも彼等の乱闘は激化し、もはや先が見えない狂気と化していました。
その時、末崎が突き飛ばされた際にサングラスが外れ、零の目の前にある手紙のところへ落ちます。そのサングラスの鏡の面により、手紙の額の部分にも文字が隠されている事を零は発見、“10番目の右の死者の誤入がカギ”と書かれていました。
タイムリミットは20秒となるなか、零は手紙に書かれている“10番目の右”“11人並んでいて”“死者の誤入”に基づく解答をパネルに入力します…。
狂気や怒りはここまで人を変えてしまうのかと思う程に村上達の狂った行動は恐ろしく感じました。そんななかで、思わぬところでゲームの「答え」が出て来るのは、ある意味山あり谷ありの人生と同じかもしれませんね。
第38話 一転
零が入力した「解答」は「正解」であり、“やったぁっ！”と男達は声を上げて喜びます。槍の壁は後へ下がり、何もない普通の壁に入れ替わります。
更に今度は“ガタッゴトッ！”という大きな音と共に“鏖の魔女”が崩れ去り、それを見るなり“やっぱり勝ち…！勝ちだっこれ…！”“万歳っ…！”と男達の喜びは頂点に達します。
その直後、部屋のモニターに沢山“矢”という文字、次に“的”に矢印が指されている図が写し出されます。そしてスピーカーから“では…秒読みです…！”と告げられ、再びカウントパネルが（5分から）動き出しました。
一同が騒然とする間もなく、部屋の壁が矢の入った筒でびっしりとなるも、直ぐに筒の中の矢は奥へ下がります。
ユウキや周りの男達は矢が消えたのかと思いましたが、零は“残念ながら、消えていない…！”と言います。
続けて零は、“むしろ逆っ…！セットされた…！セット、つまり弓が引かれた状態…！もう一度、何かをクリアーしないとオレ達は…四方から矢の雨だ…！”と告げます…。
零が「正解」を出した時の喜びが大きかっただけに、また別のゲームがスタートした時のショックも相当大きかったのかもしれません。それに、次々と内容が巧みになっていっている様ですね。
第39話 焦燥
崩れた“鏖の魔女”の首からまたも手形が出て来て、零が取り出します。
そこには“おめでとう。そう、「24」が正解。よく巡り着いたわ。でも、まだまだ皆さんには死んでもらいますね”と書かれていました。
次の二通目には“さて、皆さんが巡り着いた「24」そして、皆さんの人数「21」実はこの二つにはちょっとした関係があるの。さてどんな関係かしら？その答えが自ずと生き残りのカギネ。抱きしめてあげる。”とも書かれてあり、零や周りの男達は困惑します。
割れた“鏖の魔女”の首の中が解答ボードとなっていて、幾つもの選ぶ数字のボタンがありました。その番号の中からどれを選ぶが男達は考えていましたが、零は手紙を優先する事に専念します。
零は“解答ボード”が恐らくダミーだろうと考え、手紙の数字「21」と「24」の関係を見い出だそうとするも、時間は刻々と過ぎて行きます。
零の行動とは裏腹に、焦った一人の男が解答ボードの数字ボタンを押してしまいます。案の定、解答ボードからは“残念…！”“あと9回…！”という音声が鳴り響きます。
解答ボードに別の数字を押そうとする者、崩れた“鏖の魔女”の破片で自らを防御し壁の矢から逃れようとする者、それを見て怒鳴り散らす者等、彼等は“迷走”します。
その一方で零は手紙を見て、解答を見つけようとしていましたが、ふと床に基礎正しく穴が空いている事に気付きます…。
零は、周りの男達の自己中心的な行動からも「解答」のヒントを得ている様で、“絶対にここだ”という事はないと思えました。また、“カギネ”の様にちょっとした見間違いで大きな“分かれ道”になる事も考えられますね。
第40話 建造
零は手紙の数字は、自分達の人数「21」人を囲む垣根（“カギネ”の“ギ”の濁点は埃か何かの一部と判明）だと分かります。
そして、“鏖の魔女”の破片を持ち上げ差し込み部分を床の穴に取り付け、“築くんだっ…！生き残りの垣根を！”と言います。
この問題の「解答」は先程の様な“数字”ではなく“行為”だとも零は言い、“鏖の魔女”の破片で防御壁（シェルター）を作る様に周囲へ促します。
それを聞いた男達は次々と破片を持ち上げ、壁を作って行きます。
全員、そして最後に零が“防御壁”の中へ入ったところで時間切れとなり、壁から無数の矢が飛び出て来ます。
“防御壁”へ矢が容赦なく打ち込まれ、その音に男達は恐怖で怯えます。暫くすると矢は止まり、スピーカーからの案内が伝えられます。
その内容は、“それでは皆さん…秒読みです…！”というもので、制限時間「3分」がカウンとされ始めました…。
僅かな時間の間で、「解答」のヒントとなるキーワードを見つけ出す零のIQと冷静さは桁外れだと思えました。また刻々と過ぎて行くなかで、一同で力を合わせて行う「解答」の行動も絶妙だったと感じられます。
第41話 不言
再び制限時間がカウントされるなか、“鏖の魔女”の首から次なる手紙が出て来ます。
これで「最後」と期待しつつ零が取り出した手紙には、“私の求刑は死刑。しかし司法の判決は無罪。そんなものは誤報。誤報だから死ね。最後の最後、誤報が皆さんを殺しますね。お楽しみに。”とあり、一同は青ざめた表情となります。
“魔女”が自分達をどう殺す気なのか分からず、一同の不安は高まる一方でした。
そんななか、零は手紙の“司法の判決は無罪。”“誤報が皆さんを殺しますね。”という言葉が気になっていましたが、これという答えを見出だせずにいました。
そんななか、一人の男が先程作った“防御壁”に留まっている数名の者に早く出る様に怒鳴っていました。そのやり取りを聞いていた零は、ある「解答」を見つけ出します…。
“魔女”の手紙から、まして文字による当て字のヒントとしての「解答」を見出す事はほぼ不可能な状態なのかなと思えました。零や板倉の様な、よほどの冷静さを保てる者でないと考え抜くことは無理なのかなと思えました。
第42話 誤報
零が見出だした「解答」に基づき、男達は“防御壁”の一部を引き抜き、丸い“防御壁”を作り、引き抜いた破片で天井からの攻撃の“防御”に備えました。
やがて天井が開き、男達に目掛けて無数の細長いものが落ちて来ました。
落ちて来たのは蛇…ではなく長いロープであり、一同は事の状況が理解できずにいました。
それでも零は“そんなものは誤報。誤報だから死ね。”“最後の最後、誤報が皆さんを殺しますね。”と、手紙の言葉を繰り返し辿っていました。
そして零は思わずハッとして、“皆…！捕まれっ！ロープに！終わってない！魔女の殺意…！”と叫んだ直後に、部屋の床が開きました…。
零の推理や言葉により、一同の命が関わっている様にも感じられました。まして、零の一言が無ければ底へ落ちてるわけですので、つくづくタチの悪い場所だなと思いました。
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