第6巻は、“鏖の魔女”のゲームを無事に終え、洋館から出て来た零達でしたが、気力を尽くし憔悴していた零の口から思わぬ言葉が発せられます。また彼等が休む間もなく、次の更なるハードなステージが待ち構えていました…。
漫画『賭博覇王伝 零』6巻には第43話~第51話までが収録されています。
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漫画『賭博覇王伝 零』5巻ネタバレや感想など|“鏖の魔女”の手紙で…
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目次
第43話 心中
“鏖の魔女”のゲームから無事に生還した零達が洋館を出ると、門の所で案内人により一人一つずつリングが渡されました。参加者の男達はリングを手にすると、零に礼を言う事なく嬉しそうにその場を後にします。
その様子を見たユウキやヒロシは苛立ちを覚えますが、一方の零は“鏖の魔女”で力を尽くしたのか、憔悴しその場で座り込んでいました。
すると零は口を開き、“止めないか?もう…こんな事…!”と告げ、ユウキとヒロシは唖然とします。零は、これ以上続けたら死ぬと言い、“駒になるだけだ…!在全の…!オレはご免だ!奴の巨大な欲望の為に生き死にの博打をさせられるなんて…!”と告げます。
ユウキ達が必死に説得するなか、突然零が立ち上がり、用事ができたと言い、ある建物の角の奥まで駆け出して行きます。たどり着いた先には、標の姿がありました…。
鏖の魔女”の洋館から開放された男達を見ていると、結局は自分が可愛い事が表現されている様に思えますね。正に「手の平を返す」とは、この事を言った様に思えるのではないでしょうか。
第44話 適正
零は標から決勝で組まないかと誘われます。そして“二人で在全を倒し、どちらか一人が「王」になり世界を変える”という膨大な“夢”を標から語られ、零は困惑します。在全とは、武力、資金力、人脈等において圧倒的な差があると零は言います。
それに対し標は、“僕に策がある…!在全の…個人資産三兆…!法人も含めば…更に膨らみ十兆二十兆…!その全てを…一瞬で強奪する必殺の策が…!”と答え、零にその内容を告げます。
それは、零の顔を青ざめ“死ぬっ…!オレかあんたのどちらかが…!”と口にする程の内容でした…。
標が発した言葉の様に、何か大きな欲望を抱いた者と一度関わってしまうと、後には引けない様な感じがしますね。よほどの腕があるかギャンブラータイプでない限り、難しいでしょうね。
第45話 進言
標のもとから帰って来た零は、決勝に行くと報告します。それを聞いたユウキ達は一瞬喜びますが、“別行動だ…!”という零の言葉に表情は一変します。
零はユウキ達をゲームの犠牲に巻き込みたくないと言い、“降りるべきだっ!二人はもう…!”と告げます。
決勝では参加者同士の“潰し合い”となるだろうと言う零に対し、ヒロシは憤慨し“自分だけ決勝…?勝手じゃねえか!オレは諦めねぇ…零が駄目なら…自力だ…!”と告げ、その場を後にします。
ヒロシを不安そうに見るユウキですが、零はヒロシが参加するのは「セーフティー」か「ジュニア」だろうと、冷静に見ていました。一方零は、もう一度「ハード」か「マイルド」を潜り二つのリングを得て決勝を目覚すと言い去って行きます。
そんな零と“一緒に戦いたい”と思ったユウキは、彼の後について行きます。零は「ハード」や「マイルド」の部屋を探すも、どこも終了していた。先に入った者が解答し、各主催者側は情報が漏れない様に閉鎖していたのでした。
そんななか、ユウキが「ハード」レベルで空いている部屋があると言い、末崎が見つけ出したとの事です。終了時間が迫るなか、零は仕方なくユウキ、そして末崎と共に「ハード」レベルである会場「ザ・アンカー」へ向かいます…。
ヒロシの気持ちも分からなくもなく、先が見えなくなると、つい自分でどうにかしようと思っちゃう事はあるのではないでしょうか。ただ、そうやって行動した時はあまり上手くいかない事の方が多いですが。
第46話 覚悟
「ザ・アンカー」では「完全クリアー」でリング二つを、「暫定クリアー」でリング一つが参加者それぞれに送られます。
零が一人考え込んでいた時に背後から末崎が肩を叩き、声を掛けます。零は先程、ヒロシに言った様にゲームで誰かを巻き込みたくないと告げます。
すると末崎は零の肩を強く叩き、“調子に乗るなっ!”と言います。更に末崎は、“何が巻き込めないだっ…!オレ達は自ら巻き込まれてんだ…!お前の遠慮、配慮、気遣いはとどのつまり…見下してんだ…!オレ達を!”と訴えます。
また近くにいたユウキも“零の力になれるんだ!望んでいた…!こういう展開!”と告げ、末崎がまたも口を開き“グダグダ抜かすなっ!こっちはもう覚悟してんだからよ…!乗せろよ…!うまい話に…!”と言いつつ零に顔を近づけます。
零は考えた末、“分かったよ…!ただし…保障は無しだ…!”と答えます。その言葉の裏には“必ずこの二人は守るっ!何があろうと…!そしてリングを二つ取って…決勝だっ…!”という決意がありました。そして零達は「ザ・アンカー」へ足を踏み入れます…。
物語の前半では、いかにも脇役的な存在の末崎で、弟分の板倉等にも押されがちでしたが、後半になればなる程、その濃いキャラクターが出てきている感じがします。零にも檄を飛ばしたりして、見る者にも強い印象を与えている様に思えました。
第47話 披露
「ザ・アンカー」に入った零達は、横に一人ずつ寝かされ、腰と足を縛られます。入口シャッターが閉められ真っ暗ななか、突然光が差し込みます。そして、頭上から“ハーイ!ブラザー…!”とド派手なメイクの男が声を掛けます。
司会進行&MCと名乗る男が「クイズショー」を行うと告げると、彼が乗っている台が上に上がりました。そして男は“ザ・アンカー君に登場して貰うよ!出てチョーダイ…!”という掛け声と共に現れたのは、長い管に取り付けられた四枚の刃で、零達に向けられていました。
零が試しにその刃を触ってみたところ、直ぐに切れ指から血が出ました。その四枚刃は零達が寝ている少し上の位置まで移動し、振り子時計の様に横へ振り始めます。
零達がクイズに正解すれば「ザ・アンカー」は上に上がっていくも、不正解の場合は下へ下がり刃や槍が直撃する事となると男は説明します。
“ああああっ…!見たくない!そんな悲劇…!頑張ってよブラザー!僕を見殺しにしないでブラザー!”と叫ぶ裏で楽しんでいる男の様子に末崎とユウキは怒りとやるせなさを覚えていました。
その一方で、自分達には零がいてどんな問題にも解いてくれるという妙な自信があり、零も“要は解きゃあいいんだろ…!なら問題無い…!”と心で呟きます。様々な思いが交差するなか、司会の男から「第一問目」が言われますが…。
何だか、空飛ぶギロチンが舞うなか、全く動けない状態でクイズをやらされている様な感じでしょうか。零や司会の男の様に、冷静かつ楽しむのはほぼ不可能ですね。
第48話 重圧
司会の男が第一問目を言うかと思いきや、その解答者を決めなければならないと言い出し、零達は焦ります。一問一人ずつ答えていき、誰かが答えを教えたら「不正解」となります。
その場にいる一同で「解答」の相談をしようという行動を完全に見抜かれており、“ミスの責任は個別に背負うからこそ面白い…!”と男は不敵な笑みを浮かべます。
司会の男が、誰が一問目に挑むか聞き、ユウキは零に委ね、零が一問でも多く答えてくれる事を願いました。零はそれに答え、司会の男に自分が一問目に答えると呼び掛けます。
男はそれを了承、続けて二問目をユウキ、三問目をやや手こずりながらも末崎(ここでは彼の名前の「さくら」)に一方的に決めた状態でクイズは始められました。
零達の前に十五並んだアルファベットがあり、その中から一つ選ぶ様に言われ、選んだ場所からそのレベルのクイズがスタートします。正解すればその横にある「UP」のパネルが一つ上がり、不正解だとまたその隣の「DOWN」が一つ上がる仕組みとなっています。
クイズがスタートし、零は正解し「UP」に1ポイント上がるも、ユウキ、さくらは不正解で「DOWN」に2ポイントついてしまいます。
しかし続く零が3ポイント分の難題に正解し、「UP」に3ポイント上昇しました。しかし零は、さっきからポイントが上がったり下がったりしているなか、妙な事に気づいていました…。
この回で末崎の本名が分かる訳ですが、それに対して随分な辛口コメントを言い放った司会者でしたが、分かり易かったです。その後、ゲーム本番へ繋げていくまでのトークのテンポがとても良かった様に感じられました。
第49話 判決
ユウキはアルファベットパネルから、「アンカー」パネルを出します。振り子が上がっても下がってもいないなか、ポイント(だけでなく振り子の上げ下げ度)を「UP」「DOWN」どちらを執行するか決める問題です。
振り子が上の方に一旦止められ、男の口から問題が言われます。モニターに千円札が写し出され、裏に描かれてある絵は何だという問題で、ユウキは戸惑いつつ、「鶴」と答えます。
しかし、正解は「富士&桜」であり、ユウキはクイズに外れます。これにより、男は3ポイント分、振り子を下げて零達へ振り、ユウキは悲鳴を上げます。
そんななか、零は男が出すクイズに対し“光明だ…!奴の出すクイズは確かに手強い…!しかし…(隠された五つの)アンカー問題っていう限られた質問を解きさえすれば生き残れる…って事なら、芽が出て来た…!”と心の中で呟きました。
続いて末崎に対し、4ポイントと最も難易度が高い問題が出されましたが…。
ユウキが千円札の裏の絵を間違えた様に、つくづく人間の記憶は曖昧だなと思わされます。逆に役に立たなそうな知識が思わぬところで発揮する(末崎が、星がある国旗を覚えていた様に)事も結構あるのかなと思いました。
第50話 画策
末崎がまさかの正解を出し、司会の男が悔しがるなか、零は“解くっ…!絶対に解いて波に乗る!”と心に誓っていました。そんな零に出されたポイント3の問題は、“在全の愛人は何人か?”という、無茶な難題でした。“想像力が大事…!”という男に対し、零は“52…53だ…!”と答えます。
しかし男は“不正解っ…!答えは365人(毎日を七夕の様に捉え、一年振りにすれば「全てを忘れて丁度いい」との事)でーす♫在全様はロマンチストだから…”と言い、「DOWN」パネルの方に3ポイント上がります。
ただ男は、零が答えた「53」という数字が引っ掛かり、後に「365日=52週と1日」であり、零の推測が間違っていなかった事に気付樹ました。
そして男は、笑みを浮かべ、零達を徹底的に潰してやろうと思っていたのでした…。
在全の愛人の数も凄いですが、その数をキチンと計算する零の知能はそれ以上に凄いと思いました。しかも、直接の人数ではなくちょっとひねった答え(「53」(365日=52週+1日))を言うところが何とも印象強いです。
第51話 性格
ユウキ、末崎が連続して「不正解」となり、振り子が零達のスレスレまで下がって来たなか、零だけが冷静でした。そして「生き残りの鍵」はアンカー問題と見て、“難しくない…!いける…!”と思っていました。
ただ、零はパネルの中でどこにアンカー問題があるか分からないうえ、男に自分の行動を悟られたらアンカー問題が移動されかねないとも考えました。
そこで、零は男に向かって“オレ達だけかよ…!命懸けの勝負をしてるオレ達が…名前を名乗ってるのに、何の名乗りも無しか…?”と叫びます。
男は忘れていたと言い、“君達の命運を握るこのクイズの支配者…僕の名前は…小太郎!ヒルマウンテンウィリアムス・ハリソンジャガーサタケ・ジェームス城山だよ!”と告げました。
続けて零は、自分達を殺したら何か褒美が出るのか聞くと、小太郎は“そんな物、無い無い無い…!僕は純粋にクイズが大好きなだけだよ!!!燃えたい!ヒリヒリしたいんだ!クイズで…!”と嬉しそうに答えます。
それに対し零は、“こっちへ来いよ!ヒリヒリしたきゃ…こっちだ…!こっち!”と挑発しますが、それはあり得ないと小太郎は答えます。
更に小太郎は、“本当の事言うとそこは…変わらない!ギロチンの断首台と!大して…!”と告げ、気付くと零達はギロチンの台にいたのでした…。
この回で出たクイズの様に、意外と指定された年の曜日等はあまり覚えてないものだなと思いました。それにこのクイズ司会者の長過ぎる名前の様に、覚えずらいものもありますね。
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