地元の書店でゴールデンカムイ1巻を初めて目にした当時は、グルメ本コーナーに並べられていました。
読了後の感想から述べさせて頂きますと、並べる棚、間違いではない。間違いではないのだけれども…このなんとも歯がゆい気持。先人たちはこの気持ち何と呼んだのでしょうか?恋?
それはさておき、書店員や読者を、様々な意味で、はがゆい気持ちにさせてしまうゴールデンカムイ。
まずは、主人公とあらすじから紹介していきます。
目次
ゴールデンカムイ8億円の埋蔵金伝説
主人公は日露戦争帰りの元陸軍兵士・杉元佐一。
軍人時代は「不死身の杉元」と、なんとも超人的な渾名をつけられていたことから、凄まじい戦闘能力であると同時に、生存することへの貪欲な執着心の持ち主であることが伺い知れます。
しかし、戦場における「不死身」が意味するものとは、それらの能力よりも人智を超越した「強運」といった部分のような気がします。
そんな杉元が、戦死した親友・寅次との最後の約束を果たすため、東京から北海道へと一攫千金を夢見て砂金採りにやってくるところからゴールデンカムイの物語は幕を開けます。
杉元の甘い期待は、すぐさま打ち砕かれます。砂金は既に採り尽くされており、ふるいに残るのは砂利ばかり。現実はそう甘くはありませんでした。
だがしかし、日露戦争のハンバーガーヒルこと、かの悪名高い203高地をくぐり抜けた強運の持ち主「不死身の杉元」です、やはりただでは転びません。
ひょんなことから知り合った酔いどれオヤジから聞かされたのは、アイヌ人たちから強奪され、その後埋蔵された金塊8億円相当(後日、実は8000億円と判明)、その在り処を示す暗号として、24人の死刑囚に施された入れ墨の話。
当初は、酔っぱらいの与太話だろうと聞き流していた杉元でしたが、「しゃべりすぎた」との言葉と共に、シラフになった旧酔いどれオヤジに銃口をむけられたことから、与太話が真実味を帯び始めました。
更にオヤジの体に施された、何らかの経路を示すと思われる複数の線や、丸で囲まれた漢字の入れ墨を目撃することにより、アイヌの埋蔵金話が杉元の中で確信に変わっていきます。
そして、このアイヌの埋蔵金を巡り、様々な人間のそれぞれの思惑が交差し、怒涛の奪い合い、殺し合い、裏切り合いへと、ハッテンもとい発展していくのでした。
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ゴールデンカムイのヒロイン アシリパ 口に出したいアイヌ語の魅力
ヒグマの急襲から杉元を救ったことが縁となり、アイヌ埋蔵金探しに同行することになる
アイヌの少女アシリパ。
『アシリパ』はアイヌ語だそうで、『未来』を意味する言葉として作中では説明されており、わたしは新しい時代の女なんだ!と、本人は解釈しています。
因みにアシリパの幼少名は『エカシオトンプイ』。意味は祖父の尻の穴だそうです。オソマ!
連載当初は、相当な美少女として描かれていましたが、ゴールデンカムイの物語がすすむにつれ、変顔の頻度が加速していくという珍妙な現象が起こったりもします。
そんなアシリパさん、ゴールデンカムイの魅力を語るうえで欠かすことの出来ないアイヌ文化の語り部、さらには狩猟、ジビエ調理とグルメ部門を一手に担っております。
ゴールデンカムイの扉絵において、アシリパと共に活躍した風に描かれている動物たちは、次ページにおいて、もれなく尊いレシピの材料となります。
撲殺→皮剥ぎ→解体→食事に感謝するアイヌ語『ヒンナ』を口にしながら命を美味しく戴くのです。
空腹時にうっかり読むと、とんでもない飯テロになるので注意が必要です。
解体の度に杉元に課せられる脳みそ、目玉などの生食シーン。
ゴールデンカムイの、なくてはならない名物コーナーとして定着していく様も微笑ましい限りです。
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ゴールデンカムイの魅力はバトルに恋愛、ときどきエド・ゲイン
ゴールデンカムイは、マンガではあまり扱われたことのなかったアイヌ民族が題材となっているので、民俗学に興味がある人にとっては、それだけで十分ハートはワシ掴み状態だと思います。
しかし、それだけに止まらないのが、ゴールデンカムイのすごいところです。
新撰組、日露戦争、銃器、狩猟、ジビエ料理、変態、バトル、筋肉、恋愛といったエンターテイメントな素材がこれでもか!という位に盛り込まれています。
何がすごいって、それらの素材が一切ケンカすることなく、北海道の広大な大地の上で、見事なまでのマリアージュを披露しているのです。
記載したキーワードに一つでも関心を持った方には、是非おススメしたいゴールデンカムイなのでした。
また、作中に登場する江戸貝のモデルはアメリカの墓あらしのエド・ゲイン(映画サイコのモデル)だったりする感じも、なかなか興味深いです。
読了後に、自分だったらゴールデンカムイをどこの棚に並べるのか?などと考えてみるのも一興かもしれません。
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