『キングダム』は原泰久先生による戦国群像劇を描いた漫画です。
黒羊戦2日目、前線を押し上げ中央丘の奪取を目指す飛信隊。昨日とはうって変わって快進撃が続きました。しかし進んだ先に川が現れ、その対岸に敵が布陣していたのです。飛信隊には船もなく、橋もかかっていません。
これは可了貂の師匠・昌平君でさえ、打つ手なしと言った厳しい状況です。それでも可了貂は策を見い出し、飛信隊は無事に川を渡り切りました。
『キングダム』43巻には、460話から470話が収録されています。
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目次
460話 飛信隊の楔
黒羊戦3日目、飛信隊は中央丘右側の戦場で主導権を握りました。ここから可了貂は狙いを中央丘に定め、右から黒羊全体の戦局を動かすようです。隊の一部だけその場に残し、残り全てを中央へと向けました。
中央丘に着いた飛信隊。すぐ攻撃に移るかと思いきや、可了貂は待機の指示を出します。彼女だけでなく、その場にいた指揮官全員が、桓騎の動きに注目していました。
461話 黒羊の大一番
可了貂が待機の指示を出したのは、攻められる部隊が多すぎるからでした。なので、桓騎からの指示を待ったのです。趙軍も攻撃に備えて布陣をし直し、丘の頂上では慶舎が桓騎の気配を感じ取ろうと待ち構えていました。
両軍の注目が桓騎に集まりますが、一向に動く気配がありません。太陽が高く昇っても指示はなく、とうとう日が暮れてしまいました。黒羊戦3日目は、そのまま何もせず終わってしまったのです。
462話 困惑の夜
飛信隊の野営地では、可了貂が鬼の形相で那貴に迫っていました。桓騎軍から派遣されている那貴に、桓騎が動かなかった理由を問い詰めます。しかし那貴にも、桓騎が何を考えているかは分かりません。
それは桓騎軍の将も同様でした。ただ意図的に動かなかったことは分かっており、桓騎を信じて明日を戦うことにします。
一方、樹海にある集落の長老に助けられた羌瘣。羌瘣は手当てを受けながら、敵将・紀彗が有能であるにも関わらず、名が聞こえてこない理由を知ることになります。
463話 離眼の悲劇
15年ほど前、離眼と暗何は熾烈な争いを繰り広げていました。離眼は兵数では半分以下ながら互角に戦い、紀彗たちの台頭で戦局は離眼に傾き始めます。それに対して暗何は5倍の兵を集め、決戦に打って出ました。壮絶な戦いでしたが、紀彗が敵の中をかいくぐって暗何の城主を討ち取り、勝利を収めたのです。
これで決着したかに思われましたが、残軍を追っている間に、あろうことか離眼城が落とされてしまいます。城内にいた全員が人質となり、その命と引き換えに将校と兵に投降を迫ったのです。
先の離眼城主で紀彗の父・紀昌は、これを受け入れて火刑に処されました。炎に焼かれながら紀昌は、息子に城主の座を渡し、離眼の子らを守り抜けと叫んで散っていったのです。
このことが紀彗の名が、外に広がっていない理由でした。
464話 焦れの限界
黒羊戦4日目早朝、桓騎軍の伝者からこの場に留まれと指示されます。その言葉にブチ切れる信。可了貂が割って入り、伝者からの指示を了承します。それは留まっていた方が、桓騎軍に有利に働くからです。
しかし馬呈と劉冬の軍が後ろに迫っており、そう長くは留まれません。桓騎は援軍を送ると言っているようですが、確約されてはいないようです。
そして黒羊戦4日目の幕が上がります。指示通りにその場に留まる飛信隊ですが、後ろの馬呈軍にかなりの兵がやられてしまいました。何とか踏みとどまる飛信隊に、痺れを切らした慶舎軍が襲いかかってきます。
敵の総大将を相手に、信たちは逃げきることができるでしょうか?そしてその様子を笑いながら見る者と、血の気が引いた顔で見る者がいたのです。
『キングダム』43巻 まとめ
『キングダム』43巻では、離眼の悲劇の場面で思わず涙がこぼれました。炎に焼かれながらも、息子に領民を託す紀昌。それに血の涙を流しながら応える紀彗。読んでいると、胸を鷲掴みにされるような気分になります。
そして領民たちも新しく城主になる紀彗を支えることを誓いますが、皮肉なことにこの結びつきの強さが仇となってしまうのです。どういう展開になるかは今後をお楽しみに。
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