最終巻である『花もて語れ』13巻では、コンクールの予選を勝ち上がったハナの2つ目の朗読が行われます。
長き折口への想いに一区切りをつけ、満里子とも腹を割って話し、通じ合った彼女。これまで知り合った愛すべき人々への感謝を、芥川龍之介の作品『蜜柑』を通して伝えます。
月日は流れ6年後、ハナは大きな決断をします。時間の流れのともに変化したこと、変わらなかったことを受け止め進み続ける決意を、彼女はある作品に込めて語ります。
漫画『花もて語れ』13巻は第102話から最終話+おまけが収録されています。
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漫画『花もて語れ』12巻ネタバレや感想など|ハナの技術が発展!
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目次
第102話 瓶詰地獄⑫
折口との会話を終え、満里子たちと合流したハナ。満里子と2人で話をしようと食事に誘います。
藤色や折口、五十土たちの過去を知り、2人の間の隠し事をなくそうと提案するハナ。それを聞いた満里子は、自分が言わずにいた数々の出来事を告白するのでした。
2人での帰り道、ハナは藤色から連絡を受けます。
第103話 蜜柑①
朗読を聴きに来た伯母さんたちが、ハナたちの家に泊まった日の翌朝。2日目の作品、芥川龍之介の『蜜柑』を読むハナを気にかけた満里子がまたも空回りします。伯母さんは、発表に臨むハナにあるものを手渡します。
朗読会場へ向かう道すがら、満里子の追加の空回りを受けたハナ。それが結果的に、同じ出演者たちとの会話につながります。
第104話 蜜柑②
五十土から学んだ技術を気にかけながら、始まったハナの朗読。現在と過去が入り混じる独特な文体で書かれた本作を、彼女は理解し読んでいきます。
作品内の芥川の苦悩に、折口は過去の自分を思い出します。
第105話 蜜柑③
藤色から昔の話を聞いた後、本作を語る決意をしたハナ。自分自身も分かっていなかったその理由を、彼女は理解します。
朗読を聴きながら、芥川ファンの山吹は当時の芥川の心境を読み解き、折口は過去の藤色の父との会話に思いを馳せます。
第106話 蜜柑④
物語の中では、列車に乗る男性(おそらく芥川自身)と小娘の描写が続きます。男性は小娘の悪意なき行動にダメージを受けます。
その後の小娘たちの行動の表現に芥川の技巧が炸裂し、ハナもしっかりとそれを掬い取るのでした。
第107話 蜜柑⑤
「その」「この」などが乱立する文章。男性が思った「一切」と言う言葉の意味。
ハナの朗読はこれらの不可思議を読み方によって説き、観客もそれを理解していきます。
第108話 蜜柑⑥
朗読により様々な影響を受け、成長してきたハナ。そのことについて考えた彼女は、自分の想いを伝える勇気をくれた幼き日の折口の言葉に、もう1つの意味が含まれていたことを感じ取ります。
人と人との情愛、そこから得た暖かな感情を描いた作品、『蜜柑』。ハナによる本作の表現は、その言葉を送った折口本人の心をも動かしていくのでした。
第109話 蜜柑⑦
昔ハナを救った折口でしたが、自分の決断に迷っていた彼自身も、小さな彼女の発表によって勇気をもらっていました。
そして成長した今のハナは、自分の想いを込めた朗読で人を元気づけようとします。それは彼女が、人に助けられ続けていた自分から脱却した瞬間でした。
ハナの朗読は終わり、折口は藤色を呼び出します。
第110話 小さき者へ①
6年の時が経ち、ハナは会社を辞めて自分の教室を開くことになります。藤色の教室を受け継いだ形ではありましたが、自分の朗読を気に入ってくれた人たちが沢山参加してくれました。
朗読教室のメンバーもそれぞれ立場を変えて活動し、料理を学んだ満里子は引退した父が開いたレストランで働いています。
教室の初日を終えたハナは、そのレストランで行われる朗読発表に向かいます。そこには彼女の大切な人たちが集まっていました。ハナは彼らの前に立ち、朗読を始めます。語る作品は、有島武郎の『小さき者へ』です。
最終話 小さき者へ②
発表が始まる直前、藤色たちが会場に連れてきたのは五十土たちでした。ハナは彼女をしっかりと見つめ、朗読を始めます。
父親が、母親を亡くした子供たちに向けて書いた『小さき者へ』。亡くした父母のこと、変わらない満里子との生活のことを思い、ハナは語ります。観客の前にいるのは、どうしようもなく辛いことを思い出しても、それに向き合い戦えるようになった、1人の女性の姿でした。
漫画『花もて語れ』13巻 まとめ
様々な痛み、苦しみと出会い、それを受け入れ成長した人々の再出発の巻でした。
『花もて語れ』13巻かつ最終巻。
経験してきた諸々の出来事の中で、自分を認め、人を動かす強さを得た彼女たちが、時間をかけて辿り着いた自分の生きる道。ぜひ最後までご覧になってください。
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