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漫画『ゴールデンカムイ』24巻ネタバレや感想など|ジャック・ザ・リッパー登場!

『ゴールデンカムイ』第24巻は、新しい命を授かると同時に新たな旅立ちを始めるインカラマッと谷垣に、別れを告げた月島と鯉登でした。その一方で、砂金の手掛かりとなる人物を探していた杉元達は、ある一人の“飴売り”の男に遭遇しますが…。

 

漫画『ゴールデンカムイ』24巻には第232話~第240話までが収録されています。

23巻ネタバレ
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第232話 家族

小樽にあるアシリパの祖母の家で、インカラマッは元気な女の子を出産し、谷垣はその子を抱き抱え思わず涙します。一方月島と鯉登は眠らせていた第七師団の兵士を起こして、鶴見中尉に黙っておくから今まで通りに“問題無し”と報告し続ける様にと促します。

その後月島と鯉登が二人だけになった時、月島がさっきの言動は本心なのか、それともその場を誤魔化す為のものだったのか尋ねると、鯉登はどちらとでも好きに捉えればいいと答えます。

一方鯉登は、鶴見中尉が周りを犠牲にしてまで己の私服を肥やそうとしたり、権力欲を満たそうとする人間とは思えないとも言及します。

 

鯉登は、鶴見中尉の“本当の目的”について心当たりがないかと月島に聞くと、突然“指の骨を見たことがありますか?”と月島は言います。誰の“指の骨”だと聞くと、関係ないかもしれないと月島は答えます。

それに対し鯉登は、“お前の鶴見中尉に対する姿勢は健康的ではない、私は鶴見中尉を前向きに信じる月島はその私を信じてついて来い”と告げます。

一週間が過ぎ、谷垣とインカラマッは子供を連れて旅立つ事となり、鯉登は“(谷垣達に)逃げられた”と報告すると告げます。

 

その頃、空知川の流域にあるアイヌの集落にて杉元達が、砂金の話をする怪しい者を見なかったか聞いていました。

すると一人の者が、この集落には来ていないものの、歌志内の炭鉱辺りで変わった入れ墨の男を見たと助言します…。

 

新たな別れと始まりが同時に来た瞬間だと思いますが、自分達にもこういう経験は何度かありそうだなと思いました。まして、谷垣とインカラマッという全く異なるタイプの人物が結ばれる事もありますので、人生は分からないものだと感じられます。

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第233話 飴売り

杉元達は砂金の手掛かりとなる男・海賊房太郎を探していました。彼は“飴売り”をしていたとも聞きましたが、多くの前科を持つ強盗殺人犯である彼が物売りをするかどうか、杉元には信じがたいものがありました。

他に(砂金の手掛かりとなる)入れ墨を持った脱獄囚について心当たり無いか聞くも、同行する白石は知らないと答えます。

 

杉元達が訪れた歌志内・炭鉱の町では、甘酒やパン等、様々な物売りが奇抜な格好で商品を売り歩いていました。

子供達の前で精工に造られたタコの人形を操りながら飴を売る中年の男に杉元が近寄り、飴を買うから(入れ墨があるか確認の為に)服を脱ぐ様に促すも、男は頑なに拒否します。

その近くで白石が、別の飴売りの男に水をかけ、強引に服を脱がせようとしますが、飴売りの男に殴られます。挙句の果てに、杉元達は商売の邪魔をしに来たと思われ、飴売りの男達に追い回されます。

 

ある民家の縁の下へ隠れていた白石は、偶然その家の子供が遊んでいたまりを縁の下へ落とした際に顔を出し、“変な入れ墨がある物売り”を見た事があるかその子供に聞くと、いたと答えます。

炭鉱の線路を歩いていた男に、背後から白石が“飴ちょうだいな”と声を掛けます。すると毛糸の帽子に髪を細かく三つ編みにし、(目の部分だけ開けた)白紙をお面の様に付けた男が振り返ります。

そして、抱えていた箱を前に“さあさご注目「飴こ」が出てくるよ♪”と言っては、箱からはビックリ箱の様な顔が出て来て、白石を驚かせます。

 

白石がその男に“変わった入れ墨”を持っているか尋ねると、男は“お面”をめくり自らの顔を白石や杉元達に見せます。彼の顔は上から下まで入れ墨で埋められており、自分で掘ったとの事です。

ただ、手掛かりの入れ墨でない事が分かった杉元は、ここまで来た事が無駄骨だとガッカリした様子でした。

 

杉元や白石が仕方なく次の手掛かりとなりそうな場所を模索しようとしていた時、横で“飴売り男”は杉元の失望した顔に笑いを浮かべていました。

しかしその一方で、彼がその後言った“若山の親分のがっかりした顔もいい顔だったな~”という言葉が、隣にいたアシㇼパの耳に入ります。

その言葉が気がかりとなりアシㇼパが振り返った時には既に遅く、男は“金塊は絶対に見つけられないよ~”と告げ石炭列車に乗り込み去って行ったのでした…。

 

この“飴売り”の男は、何だか昔の探偵物によく出てくる正体不明の“怪盗”に似ていると思えました。トロッコに颯爽と去って行くところなんか、特にそうだと感じました。

 

第234話 蒸気船

杉元達は石狩川を下って江別まで行く事にし、蒸気船へ乗り込みます。

船内では他の乗客がくつろぎ、アシリパも疲れて眠りに就きます。その矢先、二隻のボートが蒸気船に近づいて来ます。

 

船長及び船員は、そのボートが最近船を狙っては乗客の金品や郵便物の現金書留を狙う連中だと見ます。そして船長は蒸気船のスピードを上げ、二隻のうち一隻に船体ごと体当たりし、ボートに乗っていた男達は川へ投げ出されます。

船員達がもう一隻のボートを威嚇するなか、ボートに乗っている長髪に髭面の男が川へ飛び込みます。そして蒸気船の下を潜り、反対方向から飛び出し操縦席にいる船長のところへ着地し、“船を停めろ”と銃を向けます。

そこへ白石達が様子を見にやって来て、男が海賊房太郎と確信します。更に白石や杉元が、船員達から海賊の仲間と勘違いされ襲撃されます…。

 

杉元達は海賊房太郎のせいでとんだ濡れ衣を着せられましたが、船長や船員の様に切羽詰まると冷静な判断が出来なくなるのかなと思いました。房太郎の飛び抜けた身体能力を見ると尚更かもしれません。

 

第235話 地獄の郵便配達人

蒸気船に侵入してきた男、海賊房太郎に対し杉元が小刀を取り出し対抗しようとするも、白石が止めの合図を送り、彼から情報を入手しようと試みます。白石は自分達が、アイヌにより金塊が隠された場所を知ってる者を探していると、房太郎に伝えます。

すると房太郎は“お前もか”と答えつつ、“どこかで聞いたのか?俺らの入れ墨の暗号はもう解けないってうわさ…”と告げると、白石と杉元は驚きます。その直後、目の前に別の船がやって来ます。それは第七師団の船で、彼等に見つかるのはまずいと思い、房太郎は船を出す様に船長に指示します。

 

房太郎や仲間達が銃を持っている様子を窓から見ていた中の乗客達は彼らを強盗だと脅え始めるも、同乗していた郵便配達人が戸を閉めて安全な位置につく様に指示し、配備していた銃を構え“俺が乗ってるこの船を選んじまったことに…奴らは地獄で後悔するだろうぜ”と言います。

そして“ここがテメエらの三途の川だ!!”と言って銃を発砲し、外にいる房太郎の仲間を一人、また一人を撃ち乗客達を驚かせます。しかしそれらは、遠くのボートに乗っていたロシア工作員・ヴァシリが同時に発砲し仕留めたものでした。

そうこうしているうちに、第七師団の船が目の前まで追いかけて来ました。すると房太郎が舵を取り、船を動かし始め、第七師団の船に体当たりし外輪を破壊します。そして相手側が動けなくなったスキに逃げ出しました。

 

房太郎達が安心したのも束の間、今度は船内で郵便配達人が銃の発砲に調子を掴んだのか、他の乗客から貰った機関銃を手に“俺は地獄の郵便配達人だぜ!!”と言いつつ発砲し、周囲は手を付けられない状態でした。

房太郎のもとへ仲間が一人来て、配達人により他の者が3人銃殺されたと告げると、房太郎は激怒し船の錨を配達人がいる船内へ向けて投げ付けますが…。

 

それまで仕事一筋だった配達人の、ある意味“変な扉”を開かせてしまった回だと思えました。意外と真面目な人程、ストレスがピークに達した時に爆発しそうで怖いですね。

 

第236話 王様

錨を投げつけてきた房太郎に対し、杉元が対抗し、船上は激しい肉弾戦の場と化します。一方、船内では郵便配達人が未だに銃を撃ち続けていました。

しかし弾が切れた直後、アシリパが“予備の弾がある”と配達人を連れて、スキを狙って川へ落とします。

 

そして、配達人に逃げる様に促します。泳いで逃げる配達人に対し、遠くから房太郎が銃を発砲していました。

房太郎と格闘を続けていた杉元のもとへ“杉元ッ、聞きたいことがあるだろがッ”と白石が引き止めます。続けて白石は房太郎に、“暗号は解けない”噂について聞かせてくれる様に尋ねます。すると房太郎は口を開き始めます…。

 

配達人といい、房太郎に激しく対抗する杉元といい、それぞれのアドレナリンが爆発した回だと思えました。唯一冷静で武器を使わなかったのは白石だけで、意外と平和主義なところがありますね。

 

第237話 水中息止め合戦

白石は、房太郎が“アイヌが最初に金塊を隠した場所”を既に突き止めたのかもしれないと、杉元に話します。また“刺青人皮が役に立たない”という噂をどう思うか聞くと、噂に左右されずに刺青人皮集めは継続すると杉元は答えます。

それに対し白石は、房太郎と手を組むフリをして情報を引き出す事を杉元に提案します。

 

そこへ房太郎が来て、終点の江別港に着くと言います。同時に莫大な砂金の量について話し“どうよ?浪漫があるよなァ!!”と白石や杉元をワクワクさせます。

しかしその直後、口調を一変させ“一緒に夢を追えなくて残念だよ”と告げ、白石達の背後には房太郎の仲間が銃を向けていました。

 

その時、アシリパが仲間の銃を持つ手に弓を放ち発砲を止めます。そして杉元達の所持する背嚢の中身を、房太郎が見た事(により房太郎を探していた事がバレた)を告げます。

再び杉元と房太郎との格闘が始まったかと思いきや、船長の操縦により船は激しくカーブし、大きな木の枝に当たり、杉元と房太郎は川へ投げ出されます。

川の中へ潜っても、なお格闘を続けていた杉元と房太郎でしたが、杉元は房太郎の長い髪が足に絡んだうえ、彼に足を掴まれ、深い川へ引きずり込まれますが…。

 

男と男の関係は、本当によく分からないものであり、杉元と房太郎との関係は敵対しているのか何なのか、常に掘り下げないと分かりませんね。そして最後には結局出て来るのは、“またも白石か”と思わせるオチが良いですね。

 

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第238話 好きな人に

杉元と房太郎との格闘により蒸気船の外輪が破損し、江別港が目の先にありながら着岸できない状態にありました。船を壊された事に怒り心頭の船長は、白石達にここからさっさと立ち去る様に言います。

そんななか杉元は“海賊房太郎と手を組もう”と言い出します。房太郎は自分の情報が欲しくて助けたり、若山親分の話を聞いて予定変更するのかと聞くと、刺青人皮探しは継続すると杉元は答えます。

 

また杉元は、鶴見中尉と土方歳三という二つの勢力が殆どの刺青人皮を押さえており、彼等が刺青人皮探しを継続しているという事を無視できないと房太郎に説明します。

そして鶴見中尉と土方歳三を一発逆転で出し抜く方法として、房太郎と手を組むしかないと告げました。その後、結局房太郎と手を組み同行する事となった杉元達でした。

 

一同はボートで札幌へ向かいます。途中アシリパは、竿に(クジラ採りに使った、小さい槍の様な)キテを付けチョウザメを採ろうとします。その準備の最中に房太郎は、アシリパとはどういう関係かと杉元に尋ねると、“…案内人さ、北海道の”とだけ答えます。

それに対し房太郎は、船で杉元がアシリパを必死に守ろうとしていた事を指摘し、“よほど大切な人かと思ったぜ!!”と告げます。捕獲したチョウザメをアシリパが解体し、中の卵を取り出し皆で食べ始めます。

 

その際に房太郎がアシリパに、“好きな人には、自分の好きなものを好きになって欲しいもんねぇ”と言うと、余計な事を言わんばかりにチョウザメが盛られたスプーンを房太郎の口に放り込んだアシリパでした。

続けて房太郎は、アシリパに家族の事を聞いたうえで何故自分達と危険な道を歩むかと聞くと、“私にはやることがあるから”とだけ答えました。

その頃、小樽や札幌等の各場所でまたも波乱が起き始めようとしていました…。

 

チョウザメの卵といえば、いまや高級品で自分達はいつ食べられるか分からないものを、大量に食べられたのは、人間が採り過ぎたともあるとつくづく思いました。また杉元とアシリパの関係が、以前とは明らかに深まっている事が感じられました。

 

第239話 発射

札幌で連日起きている「連続娼婦殺害事件」について、ある木造家屋の近くで宇佐美が妙な行動をしていました。何故かその場で自慰行為をして家屋の縁の下に行き、事件の犯人の体液を見つけ出します。

そして宇佐美は、犯人が二日おきにこの場所に来て、また戻って来るに違いないと推測し、そばにいた菊田を驚かせます。その時、彼等の前に一人のシルクハット姿の男が現れます。その男と宇佐美、それぞれ自慰行為をし始めます。

 

唖然とする菊田を前に、“こいつが犯人です!!”と告げる宇佐美が、シルクハット男との激しい体液の飛ばし合いを始めます。宇佐美の体液を男が交わし、逆に男が飛ばす体液を宇佐美が華麗な宙返りで交わします。

そこへ菊田が男に銃を発砲、弾を避けながら男は素早く逃げます。菊田は宇佐美に二手に分かれて男を追う様に指示するも、角を曲がった宇佐美が、男が乗った馬に体当たりされます。

 

そして乗馬した男が立ち去ろうとしたところへ、再び菊田が遠くから発砲し、男が被るシルクハットが脱げます。そして、菊田は男が乗る馬に飛び乗り、口髭を生やした中年男の首元に銃を突きつけ“獲った”と告げます。

しかし男はそれに動じず、菊田の前で堂々と自慰行為を行い、体液を飛ばし菊田の目潰しに使い、菊田はその場で転げ落ち男は去って行きました。

菊田と宇佐美が手こずっているなか、遠くから女性の悲鳴が聞こえ、その先へ菊田と宇佐美が行くと…。

 

冒頭の宇佐美と男との“戦い”は思わず“なんじゃこりゃ⁉”と叫びそうになりました。しかしながら、存分に表現されるのが漫画であり、アニメ化の際はどう表現されるか楽しみです。

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第240話 菊田特務曹長

再び二人の娼婦が殺害され、翌朝事件現場に多くの野次馬が集まります。そんななか菊田は用を足してくると宇佐美に告げ、野次馬に交っている有古力松一等卒に声を掛け、札幌にいるなんて聞いていない、また土方歳三と共にいるかどうか尋ねます。

常に人がいて、土方や鶴見中尉は自分の事を疑っていると有古は答え、“誰も俺の事は信用しないでしょう”と告げます。そう呟く有古に対し、菊田は“じゃあ俺につけよ、お前を信じているのは俺だけだ”と言います。

また菊田は、土方や鶴見のどちらについても破滅しかないと言い、“「中央」は鶴見中尉に金塊を見つけさせて、最後には消せと言っている”とも告げます。その言葉に“あんた…中央政府のスパイか‼”と有古は脅えます。

 

連続殺人犯を追っているのは他にもいて、石川啄木もその一人でした。彼は新聞社に犯人から小包が届いた事を告げ、その中には被害者の腎臓が入っていたうえ、“娼婦は罪人”や“また殺しをやる”という事が書かれた手紙が添えられていたとの事です。

これらのやり口から、石川は犯人が「ジャック・ザ・リッパー(イギリス・ロンドンで発生した連続殺人事件の犯人とされている人物)」の模倣だと捉えます。

 

また「ジャック・ザ・リッパー」は、新聞社に手紙を送り付ける等の「犯行予告」を行うといった、前代未聞の犯行を行ったうえ、結局捕まらず「未解決事件」としてなってしまいました。

札幌で起きた連続殺人事件の犯人は、ロンドン中を震撼させた「ジャック・ザ・リッパー」の“信奉者”ではないかと石川はにらみます。

 

また「ジャック」による最後の殺人(5人目)は4人目から40日後に行われたそうなので、「ジャック」を“崇拝”する犯人を40日以内に捕まえないとどこかへ消えてしまう可能性があると捉えます。

一方で石川は、全く別の一件で気になる事件があると告げます。それは江別で子供が次々と誘拐されている事件で、その犯人の名は「上エ圭二」で網走脱獄囚24人の一人でした…。

 

歴史的凶悪事件が物語に細かく絡んできており、とても分かり易かったです。その出来事と絡むキャラクター登場させる事により、なおテンポを良くさせている様に思えました。

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