漫画『ザ・ファブル』第8巻は、明と山での生活を始めた黒塩は、食事や寝床等、全てが生活水準とかけ離れており戸惑いを感じていました。更には山の“猛獣”にも遭遇する事にもなります。一方、自宅にて酒に酔いしれながらヒマを持て余していた洋子は、以前行きつけのバーで知り合った男・河合に連絡を取ろうとします…。
漫画『ザ・ファブル』8巻には第75話~第85話までが収録されています。
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漫画『ザ・ファブル』7巻ネタバレや感想、無料で読む方法など…
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目次
第75話 精一杯の男....。
山を登り始めて、明とは対象的に黒塩は息切れをして苦しそうです。一先ず休憩する事にし、申し訳なさそうな態度の黒塩に対し、“その足、ギブス取るの無理したやろ”と指摘します。
実際、普通より2週間程早く強引にギブス取った様で、それも重なり明のペースに合わせるのが辛そうな黒塩でした。明はナイフで木の枝を切り、黒塩に“杖”として渡したりして、サポートをしますが、やがて黒塩の疲れはピークに達します。
それと同時に、自分が歩んで来た人生を重ね合わせていました。黒塩は、大きい家に住み周りからチヤホヤされる位の高いヤクザに憧れていたものの、実際は小さな組の下っ端に留まっていました。そんななか、“ファブル(明)”に出会った事で、目が開けます。
そして、“この兄さんの事を知りたい、俺もこの人の様になりたい”と心底思ったのでした。山の奥深くへ行くと、二人の目の前にイノシンがいて、明は黒塩に注意する様に呼び掛けます。また、近くにはヘビの姿も…。
憧れの存在について行くとはいえ、理想と現実は違う事を痛感した黒塩だったかもしれませんね。目標を実現させるには、何かしらの苦労とリスクが伴うのだと考えられます。
第76話 腹ごしらえの男....。
明とは対象的に体力が限界に達していた黒塩は、川に辿り着いたところで“ゴールっスよねぇー...この川っスよねぇ~…”と訴えます。明は彼の体力と根性を受け入れ、この周辺を“活動拠点”とし焚き火の準備を始めます。
その間、黒塩は川で顔を洗いながら“ツライ...キツイ...しんどすぎる...全然楽しくねぇ~”、そう思ったのでした。
明はライターを使わない原始的な方法で火を起こし、首を切り落としてもなおクネクネと動く蛇をナイフで器用に捌きます。
その捌いた“蛇肉”を木の棒に巻き付け、かまどの火で焼き始めます。黒塩はその様子を間近で見てゾッとし、山の中での生活に不安を感じ始めます…。
昔のテレビ番組で“原始的生活”をする企画がありましたが、それでさえもハードに見えました。いきなり不自由に生きる事は、現代人にとってかなりキツイかも知れません。
第77話 泣きたい男....。
夕方になりあと30分程で暗くなるなか、数本の木の棒に木の葉を被せた、テントの様な造りの場を明は寝床にするという。
黒塩は自分のテントでせ合えば何とか寝られると勧めるも、“全然問題無い、2泊3日くらいこれだけで充分、ここで寝られるならどこでも寝られるだろよォ”と明は答えます。また明は、ボスから学んだという松葉から作るお茶を焚火と飯ごうで作り黒塩に勧めた後、暗くなったからもう寝ろと言います。
明が寝床へ行った後、黒塩は夜明け(朝に食料を探しに行こうと明から言われた)までの時間を測って見ました。
“まだ8時過ぎ?日の出って…朝の10時くらいとして…一人で朝まで10時間⁉ごっついヒマやん、ヒマしかないやん!”と、黒塩はどうしようもなく長いこの時間を一人、嘆いていたのでした…。
待ち時間がとても長く感じる事がありますが、黒塩が山の中で過ごす時間と比べたら、全然短いのかも知れません。また、疲れていても寝られない時間も長く感じます。
第78話 テントの男....。
長い夜を過ごしていた黒塩の耳に、ふと“ガサガサ…”と何か動めく音が聞こえました。黒塩は思わず、自分のドスを持って構えます。ただ正体不明の物体にビビったのか、直ぐにテントに入り入口をチャックで閉じました。
ふと時計を見ると、まだ夜の9時過ぎで“ヤバイ…心が折れそうや…”と一人呟きました。
一方で、“ヤバイ…ヒマすぎる…”とボヤいていたのは洋子で、誰もいない自分の家の部屋で酔いつぶれていました。“飲んで爆笑、酔って爆笑、してたいだけなのに~、今求めるものはスリル、そうスリル!”と呟きつつ、眠りに就くのでした。
ある意味“スリル”の真っ只中にいたのが黒塩の方で、どうしてもテントの外でうごめく音が気になり眠れない様です。思い切ってドスで追い払おうと考え、勢いよくテントから外へ出て“オラァー、ヤクザ、ナメとんかぁー!”と怒鳴ります。すると、黒塩の目の前にいたのは…。
一つの音が気になると、寝られない事はよくあると思われますね。その点、緊張から解放されている洋子の性格がちょっと羨ましいです。
第79話 川沿いの男....。
夜が明け、目を覚ました黒塩がテントから出ると、既に明が一人外で立って、何か下の方を見ていました。それは熊の足跡で、ツキノワグマだと明は言います。
黒塩は安全の為に下山したらどうかと提案するも、明は“もちろん一般人ならそのほうがいい、だが俺は違う、身体がナマるからここに来てる”と答えます。そう言って川を上りながら食料を探しに行きます。
明と同行しつつ、黒塩は過去に起きた人が熊に襲われた事件の事を思い、ネガティブになっていました。
そして、川で“昼食用”のカエルを捕まえた後、黒塩は先に火を起こしに帰る事にしました。その道中、黒塩は森の中に何故か自分のリュックを見つけます。更に、その奥からやって来たのは…。
“楽な道”を選ばず、ある意味ストイック主義な明に黒塩はついて来てしまったわけですね。これはこれで危険な目に遭いそうな事が伺えます。
第80話 食われる男....。
黒塩の前に一頭のツキノワグマが現れ、彼に近づいて来ます。黒塩は、明の“(死んだフリは)本当に死ぬぞ”“絶対に熊に背中を見せるな”という言葉を思い出し、あろうことか背中を見せず仰向けで“死んだフリ”をしてしまいます。
自分の体に近づき臭いを嗅いだりする熊に対し、怖くて何もできない黒塩でした。そこへ、ナイフを取り出した明が、“ゴワァ~!”と大声を出し、また近くの木を蹴り威嚇します。すると、熊はゆっくりとその場を去って行きます。
その後、焚き火の場で黒塩は明に、何もできなかった自分の不甲斐なさを謝罪します。山で捕ったカエルやバッタを食す明に、黒塩は自分のリュックや帽子が熊に捕られ埋められていたかもしれないと告げます。すると明から、驚愕の事実を知らされます…。
俗に言う“熊に会ったら死んだフリ”という言葉は、どういう発想で出て来たのか、不思議です。また明は、どんな事態に遭遇しようがいきていけそうですね。
第81話 断髪の男....。
明は黒塩に、熊は(黒塩のリュックを自分の物だと思っている故に)取り返しに戻って来ると告げます。それに対し黒塩は“まるでチンピラ”だと言いつつ、熊にリュックを差し出した方が良いか聞きます。
そんな事をしたら熊はナメてかかり、人間を次々と襲う可能性があるから、“人は怖い、そう教えとく必要があるな”と明は答えます。
その一方で食料用のマムシを捕まえる為に、明は黒塩の髪の毛の一部をナイフで切り、それを焚き火へ燃やします。その燃やした匂いでヘビを捕まえ様としました。何故か、前髪も切り取った為、黒塩は不満そうでした。
その頃自宅にて、相変わらず昼夜逆転かつ暇をもて余していた洋子でしたが、以前バーで出会った男、河合の事が気になっていました…。
最終的に黒塩は、前髪が揃い昔の子供みたいな髪型にされてちょっとおかしかったです。それに何故明は、自分の毛を使わなかったのでしょうか?
第82話 勃つ男....。
明は捕まえたマムシから先ず、懐から取り出した小道具を用いて毒を抜き取ります(その毒は熊に使うとの事)。そして、毒を抜き取ったマムシを解体する様子に、黒塩は若干慣れて来た様でした。
やがて辺りも暗くなり、明は再びやって来るかもしれない熊に備えて、長い木の棒とナイフを結び付けて槍を作っていました。その一方の黒塩は、焼いて食べたマムシのせいか、近くの岩や木々が“女体”に見えてしまう程、ムラムラしていました。
そして、“スンマセン兄さん、兄さんが熊と戦おうとしている様で、俺は…めっちゃ勃起してます”と心で思ったのでした。
また同じ頃、久々におしゃれをし、河合に会う準備をしていた洋子の姿がありました。洋子は、“あ~河合くんにもっと好かれたい、河合くんの胸をギュッとさせて、ドキドキさせて一人占めしたい、だってアタシ、かなりヒマなんだもの…”と呟きます。
そして、待ち合わせのバーでは、店のマスターに“今日は勝負の日よ♪”と話す、河合の姿がありました…。
やっぱりマムシは効果があるのかもしれません。ただ黒塩の様に、何もできない不便な中で元気になっても、さぞかしキツイでしょうね。
第83話 前かがみな男....。
明は紐を編んだ腕輪をほどきながら、“熊は突進して来て力任せに覆い被さる…”と、攻撃特徴について語ります。黒塩はふと、熊は怖くないのか、熊と戦うなるとパワーや重力の面でも叶わないのでは?と聞いて来ます。
それに対し明は、“大丈夫、どの熊もひとつだけわかっていない事がある「人間の方が賢い」、リラックスしろ、恐怖は身体を硬くする”とアドバイスを唱えました。その矢先、“獣臭”がすると明は言い、熊がやって来たとの事です。
また明は、黒塩が終始“前かがみ”の姿勢である事を指摘し、“マムシあれだけ食えば、誰でもそうなる”と告げます。マムシのせいか、ずっと“勃起”していた事まで見抜かれた黒塩は思わず赤面します。
そんな事を言いながらも明は黒塩に、“言うた通り動け!6秒で人間の怖さを叩き込む”と指示をします。
一方で、バーで待ち合わせをしていた河合のもとへ洋子がやって来ます。河合がカウンター席へ招いた洋子が一段と色っぽく見えたのか、店のマスターも“お~なんというか、今夜は熱い夜になりそうな…”と思ったのでした…。
黒塩の様に、見られたくないところ、恥ずかしい部分を指摘されたら嫌ですね。まして色気の面では、とんだ赤っ恥になりそうです。
第84話 オモチャの男....。
洋子はバーのカウンター席の真向かいにいる河合を見つめながら、“女にモテる為、生活の全てを女遊びに捧げる「ペラ戦士」”と彼を分析し、“なんて素敵な「オモチャ」なの!”と思ったのでした。
河合の方も、洋子を見ながら“ベッドではどうなるんやろ、電気を消して欲しいタイプかな?いやいや、たとえ停電になっても、俺は電気を消さない男…”と、自身にも酔いしれていました。また、洋子は“兄は体調が良くなく、昨日から空気の良い山の方へ行っている”と話します。
そして、“山の方にいる”兄の明はというと黒塩と共に、それぞれ木の棒で作った槍を手に熊を探していました。その時、走る音が聞こえたと同時に、暗闇から一頭のツキノワグマが黒塩に襲いかかり、彼の悲鳴が響き渡ります…。
男女共に、互いの“獲物”を狙う掛け合いは本性が現れ、楽しいです。それにしても、明とは対象に緊張感の無い世界だなとつくづく感じます。
第85話 テキーラの男....。
河合はふとバーベキューの話題を持ち出し、塩タンにレモンは格別と言いだすと、洋子も“アタシ、レモンに目がなくて…”と答えます。マスターは、間もなく洋子の“ドランククイーンの猛攻”が始まると察します。
案の定、洋子はマスターにレモンに合う酒を出す様に施し、マスターは二人にレモンを添えたテキーラを出します。洋子がいかにも“飲み方”が分からない様な素振りを見せたのに対し、河合はテキーラを一気に飲み干した後、レモンの切り身をかじって見せます。
“なんかドキドキします”と言いながらも、洋子はテキーラを飲み干し、色っぽくレモンをかじって見せ、河合を“胸キュン”させます。勢いに乗ったのか、河合は再びテキーラ二人分を注文し、マスターにガッツポーズをします。
しかし、それを見たマスターは、冷静な目で“違うよ河合くん、仕掛けられているのは君だよ、テキーラの沼に溺れたら負けー!”と思っていたのでした。やがて、テキーラ20杯目となり、行き着いたところは…?
河合はどうやら、選ぶ相手を間違えてしまった様ですね。不透明、かつ先が見えない勝負や賭け事に下手に挑むもんじゃないですね。
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