第15巻は、砂川から依頼を受けた殺し屋・二郎が“仕事”を進めるなか、組織の幹部である山岡が首を突っ込んで来た事で、話は急展開する。また洋子は町中で山岡と遭遇した事で、幼い頃の恐ろしい記憶が鮮明に蘇る…。
漫画『ザ・ファブル』15巻には第152話~第162話までが収録されています。
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漫画『ザ・ファブル』14巻ネタバレや感想、無料で読む方法など|卑劣な痴漢にミサキは…
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目次
第152話 一軒家の男....。
朝、自宅の風呂場で寝ていた明が目を覚まし、事務所に向かおうとした矢先に偶然ミサキに遭遇し、社長が事務所を引っ越したから一緒に行こうと言います。
新事務所に向かうと中はまだ引っ越し作業の途中でしたが、仕事場の机の並びはほぼ一緒で、台所も広いうえ休憩用の和室もありました。また、社長が一人で寝るベッドがある部屋を見せられたミサキは思わず“寂しい中年感出てますねぇ…”と口をこぼします。それでも社長は心機一転、新しいバイトも募集する等と意気込みを見せていました。
その頃、殺し屋・二郎が住居に戻り、寝室のハンモックの上で山岡が寝ている横で、黙々と自身の作業を始めます。すると山岡が突然“調子はどうだ?”と話しかけ、標的を絞った二郎に対し結果はいつ出るか話しかけます。
二郎は3週間と答えたついでに、町をウロウロし過ぎではと問いかけます。山岡は自分だって下見をするうえに退屈だと答えます。更に、“恐怖を感じれないって事は…、生きてる喜びもないって事なんだよ~わかるかぁ?”と告げます。
また山岡は二郎に、この町(太平)に自分の組織に属する人間が二人いる事を話し始めます…。
山岡や宇津帆の様な人間は、本当に面倒くさい人間だなと思いますし、殺し屋・二郎でさえも引いている気がしますね。ところで明が勤務する新しい事務所は、社長の生活感も出ている様に見えて、そこにミサキの本音がポロっと出ちゃったようですね
第153話 落花生の男....。
山岡は、太平に住むある男女二人が自分の組織に属する人間だと付け、幾らで引き受けるかと二郎に問いかけます。
それに対し二郎は、“今の言葉は聞かなかった事にする、俺は(今引き受けている)この仕事を最後に足を洗う。どっかの田舎で古民家でも買って、自給自足の生活さ!”と、今後について話します。
山岡は退屈な終わり方だと話すと、二郎は恐怖を知らない者にはわからないと答え、山岡はそれに納得した様子です。
山岡は、20年程前にあるヤクザを追いつめた経験があり、そのヤクザはそれまで“死ぬのは怖くない”と言っていた割には、いざ“死ぬ”間際となると失禁したり、泣き崩れたとの事です(結局そのヤクザは殺害しました)。
山岡は、“そういうタイプに幾つか出くわすとふと考える...、自分という人生が何によって誰に記憶されたか... 映画の名シーンみたいによ~。裏稼業ゆえのジレンマかもな”と話します。それに対し二郎は、“じゃあ最後の名ゼリフを考えとかなきゃな”と山岡を冷やかします。
一方、明が夕食を作っているところへ洋子が帰って来て、ミサキを襲った痴漢はまだ見つからないと告げます。同時に浜田に頼まれていたルガー銃が完成した事を報告、黒塩に連絡する様に話します。
明から連絡を受けた黒塩は、明日には取りに行くと電話を切ります。そして黒塩は、自身の先輩である美吉が経営するボクシングジムへ向かいます。ヤクザを好まない美吉は、未だに真黒組に所属している黒塩を追い出そうとするも、黒塩は何とか彼を説得します。
黒塩は“無敵になりたい”という目的を告げたうえで、ボクシングを教えて欲しいと願い出ます。その頃、二郎は落花生に薬物を注射する等、“仕事”の準備をしていました。また二郎は山岡が話した、太平に住む組織に属する二人の男女の事を考えていました…。
やっぱり誰だって死ぬのは怖いですし、中々ドラマや映画の様には行かないですね…。一方で黒塩の“無敵になりたい”という言葉は、いつまでも大人になり切れない者の言葉にも聞こえました…。
第154話 少女の記憶....。
明が配達から帰ると、ふとミサキが女の子からチョコレートを貰った事があるか聞くと、“チョコの甘さはスキじゃない”と場違いな回答をします。すると傍にいた社長が、バレンタインデーを聞いた事は無いか問うと、明は思い出した様子でした。
続けてミサキが、チョコレートを貰った事があるか再び尋ねると、“幸運な事にない!”とあくまでチョコレートは好きじゃない事を伝えます。
ミサキによると、チョコレート会社が商品を売る為に、バレンタインデーの広告のイラストの依頼が来たとの事で、それに対し明は“陰謀か”と言ってきます。それでもミサキは、バレンタインデーは“2月14日に女性が好きな男性へ告白する素敵な日”だと説明します。
同じ頃、砂川はバーで武器商人へ二郎の計画は進んでいるか聞くと、彼はプロだから待つしかないと答えます。また商人は、二郎が進めている計画が終わったら、身の振り方(引退)を考える事も砂川に伝えます。
砂川が山岡の事を思いつつ“おいおい…オモシロくなるのはこの後やのにか~、いつもと違うぞォ~‼何にビビッてんや?”と問いかけたのに対し、“この俺がビビるって?砂っちゃん、ピリピリしすぎよ”と答えた商人でした。
洋子が駅で買い物のついでにミサキを襲った痴漢を探していた時、路上で山岡に遭遇します。幼い頃、組織のボスに引き取られた際にそばにいたのが山岡で、その時の事を思い出した洋子は背筋が凍り着きます。そして洋子は、迷わず明へ今すぐ来て欲しいと電話します…。
明が答えたバレンタインデーに対する意見は、珍しく“同感!”と感じられました。まして“陰謀か?”という言葉は、とてもストレートにとらえる事ができ、スカッと感すら感じます。
第155話 プロデューサーの男....。
明が洋子の自宅に向かうと、彼女は駅前で組織の人間である山岡に遭遇した事を明に話します。また洋子は10歳の時に組織のボスに引き取られた際に、ボスと対等に話す山岡を“ヤバイ奴”と子供ながらに感じ取った様です。
洋子がボス以外に、組織の人間の顔を何人知っているか聞くと、明は“俺はボスとおまえの顔しか知らない、別に興味もない”と答えます。
ただ明は、自分が山で置き去りにされた時、ボスが運転手と共にキャンピングカーに乗って去って行ったものの、その運転手の後ろ姿しか見ていなかったとの事です。
更に明は、“暗殺を受ける者、計画を立てる者、そして暗殺を実行する者、分業体制が徹底されている”と組織の構造について説明します。
続いて洋子が、山岡は何故今この町(太平)に来ているのか聞くと、真黒組を通してないとすればそれは“仕事”ではないと答えます。更に“ヨウコがあっちに気づく前から、あっちはおまえに気づいてる”という明の言葉に洋子は動揺します。
その頃、山岡は浜田や海老原や数人の写真を壁に貼り、(殺しを)どう盛り上げようか迷っている様で“主役がいてヒロインもいて、命を懸けた戦いの末に涙する感動巨編にしたい”とまるで映画プロデューサーの様に話します。
傍にいた二郎が、何故明だけ「写真」じゃなくて「名前」のみかと聞くと、彼は“ラスボス”だと告げ、壁に写真も何も貼られていない二郎に対しては“黒子・裏方・大道具”だと表現した山岡でした。
そして山岡は、先ず真黒組組長・浜田と海老原を殺害したのが武器商人の仕業と判明したところでオープニングスタートとすると言い出します。あまりの無謀なやり方に、さすがに二郎さえも己の身の危険も考慮する様に、山岡に警告します。
それに対し、山岡は“ちゃんと考えてるさ、死は量より質なんだよ、なんなら俺が死んだっていい!”と、あたかも己も“危険”を楽しんでいるかの様でした…。
目の前の惨劇を映画や物語として捉え、常に恐怖を楽しむ男・山岡に遭遇した際は、一気に命が縮みそうですね。また“ラスボス”の明に遭遇した際はどうなる事やら、まだ全然予想が付かない事にある意味ワクワクしますね。
第155話 トラウマの男....。
長い時間、入浴したがる程に寒気を感じるのか、洋子は風邪をひいた様です。明が山岡を恐れているのかと聞くと、組織の者がウロウロしている事もあり、警戒していると答えた洋子でした。
明もまた、年末に遭遇した帽子にサングラスの男が“ふつうの奴じゃない”と、気になっている事を話します。それに対し洋子は、その男は山岡ではないとあっさり答えます。
一方、武器商人はソファーに横たわりうたた寝をし、以前殺し屋として活動していた若き日の夢を見ていました。その日も現場で標的となる人物を殺害し、順調に“仕事”を終えたと思っていました。その矢先、奥の部屋で“ご苦労さん”と声を掛けて来た、見知らぬ男が椅子に座っていました。
その男は突然光を当て、一瞬視界を奪われたスキに目の前まで近づきます。商人(殺し屋)は慌てて銃を構えるも、男の豪腕に押さえられ、思わず銃を落とします。何者だと聞くと、“同業者”であり“殺し屋の殺し屋”だと男は答えます。
更に男は、“その両眼でよく見ておけ、俺の顔が今日からトラウマになる”と言っては、持っていたペン形の凶器で商人(殺し屋)の左目を傷つけました。また男は、外で見張りをしていた男二人を殺害し、逃走用の車を爆破した事も告げ、“この国のマーケットはウチが仕切る”と豪語します。
外は警察等で騒がしくなるから、今夜はここで共に休むついでに、今後に打ち合わせしようと一方的に進めたのでした。そこで眼が覚めた商人は、大量の脂汗をかきつつ傷を負った左目を押さえます。彼の脳裏には、自身の左目を傷つけた男、山岡の顔が過っていました…。
殺し屋を狙う殺し屋…この頃から山岡という存在は恐ろしく、武器商人の男は運悪く遭遇してしまったわけで、トラウマは一生引きずっていく事が強く表現されていたと思われます。負傷した左目は、消えない“心の傷”として刻まれているのかもしれませんね。
第157話 ヒトヨノデキゴト....。
二郎は部屋の隅にある大き目のカップの中に、栽培キットとその上に測定器を置いていました。栽培キットからはキノコが生えているうえ、二郎は事前に土の中に落花生を埋め込んでいました。
そして二郎はキノコと落花生の一部分を取り出し、顕微鏡でその成分を調べていました。ちょうど部屋へやって来た山岡にも顕微鏡を覗かせたのでした。
その頃、黒塩はボクシングジムにて“ワンツー”“ハイ、よける!”という掛け声と共に、トレーナーによる激しいスパークリングが行われていました。
しかし黒塩は、トレーナーのパンチは全く避けられず、それどころかトレーナーに“しんどいんじゃー!”と文句言ったりと思う様に進みません。
二郎が成長したキノコの土に蓋をしている一方、山岡は再び壁に張られた写真を見つめており、浜田と海老原という標的を絞った様です…。
二郎が育てているキノコ(?)は明らかにヤバそうなものにしか見えませんね。何だか科学的なやり方も利用して暗殺を試みるってか?という想像を掻き立てられますね。
第158話 鉄板焼きの男....。
浜田と海老原がある飲食店で食事をする事が分かり、つけ髭といった変装をする等、二郎は念入りに準備をし現場へ向かいます。浜田と海老原は馴染みの鉄板焼き店に行っており、二人が座っている席のすぐ近くに、二郎がいました。
浜田と海老原が世間話をしている最中に、二郎はトイレに向かいます。暫くしてトイレから出て来た二郎は、酔ったふりをしフラフラしながら、食事をしている浜田と海老原、二人の間の料理があるテーブルに倒れ込みます。
二郎は二人に軽く謝り、勘定と二人の飲み物代を支払い“本当に…申し訳ない…”と告げ、店を後にします。店の外で二郎は、タバコに火を付けながら携帯電話をかけ、“俺だ…終わったぞ…”と話します…。
今までの様な殺し屋のイメージとは異なり、どこにでもいそうな風貌なので、油断のしようがないです。まして酔っぱらいが殺し屋なんて、浜田と海老原も予想つかないという事が、二人の表情からも感じ取れます。
第159話 タネあかしの男....。
外食の帰りの車中で、浜田は海老原に初夢について話題を持ち掛けます。夢を見ても覚えていないという海老原に対し、浜田は明&洋子兄妹の夢を見たと言って来ます。
彼等が“町でずっと平和に暮らして、ふつうに仕事や恋愛等をしている”夢で、年明けてから覚えている夢は初めてだとの事です。それに対し海老原は、ルガー銃の件が頭にあるのではと答えます。
その後、浜田は愛人が住むマンションの前で降りて、海老原と別れました。
その頃、二郎が“仕事”を終え部屋へ戻って来ると、山岡がキノコを育て落花生を埋め込んでいた栽培ブロックをいじっていました。二郎は“仕事”を終えた事を告げると同時に、手を洗う様に山岡に言います。山岡は二郎に、キノコを使った“手品のタネあかし”を教えて欲しい、言い値で買い取ると言い出します。
初め二郎は冗談で“3億”と言うも、あっさりとそのキノコの仕組みについて語り始めます。このキノコはヒトヨタケで、20年程前から二郎は目を付け始めます。このキノコはアルコール等、食い合わせにより「毒キノコ」に変わるとの事です。
しかし、ヒトヨタケの毒は致死量には至らない(嘔吐や目眩程度)ので、二郎は「アフラトキシン」というカビとの融合で毒性を強めます。二郎は“ヒトヨタケとアフラトキシンの品種改良、“死のキャップD¹”ってとこだな”と言います。
また二郎は、標的相手にどうやって“D¹”を含ませたかという事も、山岡に説明し始めます。そんななか、浜田は愛人女性と楽しく酒を交わしていましたが…。
殺し屋の武器は必ずしも銃や刃物ではない事が伝えられ、詐欺と動揺に巧みになっている事が感じられました。また、浜田が語った明達が平和に暮らす夢を語った際は、何だか遺言の様にも聞こえなくもないですね…。
第160話 トントンする男....。
浜田は急に胸部が苦しくなり、愛人女性が心配するなか、急いでトイレに向かいます。
その頃、山岡が砂川の代わりとして後払い金200万円を二郎に払うと、二郎も浜田や海老原の情報が入ったUSBメモリーを山岡に渡します。
今回の仕事を機に引退するという二郎に対し、山岡は仕事したくなったらまた声を掛ける様に話します。そして二郎は、壁に貼ってあった浜田の写真を剥がし“じゃあな”と言い残し、その場を後にします。
一方、トイレから出て来た浜田は、愛人に自分の携帯電話を渡す様に指示します。携帯電話を持った愛人はどうしたらいいか聞くと、“えび…はら…”と苦しみながら話します。
間もなく浜田は多量の血を吐き、その場で倒れ込みます。知らせを聞いた海老原は、急いで浜田のもとへ向かいます。また、明、洋子、そして黒塩の3人が談笑している時に一通の電話がかかって来ます…。
ある歌の歌詞にもありましたが、毒は後で効く事が伝わり、とても恐ろしく感じます。事件は見知らぬところからひしひしと、実行されているのかもしれませんね。
第161話 ハンバーガーの男....。
浜田が亡くなったという知らせを聞き、黒塩はやや取り乱しながらも、真黒組事務所へ向かいます。この町(太平)に現れ、明が帽子&サングラスの男に遭遇した後に、浜田が亡くなった事に違和感を感じていました。
それに対し、明は“死因が分からない”と言うだけで、“おまえも気をつけておけ、火の粉が飛んで来ないとも限らん”と警告します。もし火の粉が飛んで来たらどうするか洋子が聞くと、明は“その時、考える”と答えたのでした。
同じ頃、砂川は銃を密かに所持し、武器商人がやっているバーに向かいます。入口のドアを開けると、自分を睨み付ける商人がカウンターにいました。互いに強ばった顔、構えた様な姿勢を指摘するなか、商人は二郎に渡す後払い金200万円を持って来たかと聞きます。
砂川は袋に入った現金を見せ、そのうえで(武器を持っていないか)両手を上げる様に指示します。
商人が両手を上げた時、砂川は“悪いな”と言うと同時に、商人に向け銃を構えます。しかしその瞬間、カウンターの奥から“そりゃないな、砂川くん”と、ハンバーガーを食べながら砂川に銃を向ける山岡が出て来ました...。
浜田の死に対して、明は冷静でありつつも、体育座りなのが、妙な感じでした。また明の“その時、考える”って、考える時間あるのかな?と思いました。
第162話 口説かれる男....。
自分と組んでくれるかと聞く砂川に対し、山岡は自分を女性だと思い“口説いて”みる様に誘います。砂川は“金か?”と聞くと、山岡は“やめてくれ~金なんてとうに飽きてるし、執着もない~”と飽きれた様に言います。
山岡から“俺が女だったらこう思いたい…この人と付き合ったら、楽しそォー退屈しない、死ぬほどハラハラさせてくれるんじゃないかってー”と言われた砂川は、自身の野望を語り始めます。
砂川は“真黒組を乗った後に、太西市に位置する紅白組を潰し、シノギ(収入を得る手段)を倍にする”“中国へ進出し、真黒組中国支部を作る”と語ったうえで、山岡に力を貸して欲しいと懇願します。
山岡は、自分の組織の人間を見たという砂川にどんな感じだったか聞きます。すると砂川は、“まるで散歩してるみたいな男だった。現場を荒らされて当然腹も立ったが、思い直した、こういう奴がゴロゴロいる組織と組めるなら、そっちのが得やってな”と答えました。
その言葉に山岡は“オモシロイ!俺が女だったら、今すぐ股を開きたいとこだ”と言い、持っていた拳銃から弾を取り出し、互いのウイスキー水割りに入れ“契約”の杯を交わしたのでした…。
上には上がいるという感じで、怖い者同士が対面したという感じですね。そしてかなり恐ろしい契約を交わした事になりましたね…。
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