漫画『アンゴルモア元寇合戦記』3巻ネタバレや感想など｜浅茅湾への逃走…

たかぎ七彦先生による鎌倉時代中期に起きたモンゴル帝国・属国の高麗による対馬侵攻の戦いを描いた『アンゴルモア元寇合戦記』。

第3巻では、迅三郎たちによる蒙古軍への夜襲後の話が描かれています。蒙古軍の襲撃により殺される町人、焼き払われる建物…迅三郎の目に残酷な光景が写ります。

第九話

蒙古軍への夜襲後、一同は撤退を始めようとしていました。そんななか、迅三郎は蒙古軍側の松明のゆらぎが失せているのが気になっていました。迅三郎はこの状態を、蒙古軍側から来る者への“畏怖と畏敬”と捉えます。

対馬軍兵士達が徹底に向けて駆け出しているなか、“ドッ！”という妙な物音と共に、一人の兵士が体半分を何者かにより斬り裂かれ、続けてもう一人も呆気なく斬り殺されます。

そこに現れたのは蒙古軍副原師・劉復亨で、“雑草など幾ら刈ってもつまらん、さぁ今宵の大狼よ！姿を現せ!!”と、次々と兵士を斬っていきます。

そんな時、鬼武丸が彼の前に立ち塞がります。間もなくして、二人は一騎打ちを決行し、近くにいた蒙古軍兵士が戦いに巻き込まれるかのごとく、鬼武丸の振るう金棒により首を引き裂かれます。

一方の劉復亨は、金棒をいとも簡単に受け止め、鬼武丸を投げ飛ばします。そして劉復亨が長剣で鬼武丸のとどめを刺そうとした時、突然劉復亨に目掛けて木の欠片の様なものが飛んで来ます。同時に劉復亨の長剣に刀で斬りつけて来たのが、迅三郎でした。

劉復亨は直ぐに迅三郎を振り払うも、迅三郎もまた姿勢を戻し、素早い剣技で劉復亨の後ろに結んでいた長い髪を切り落とします。劉復亨は迅三郎を見て、“そうか…貴様か…貴様が本物の、今宵の狼か!!”と告げます…。

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第十話

迅三郎ら一同は、佐須から国府の近くまでたどり着きます。蒙古軍達の追撃の心配が無いとみた迅三郎は、周りの兵士達に鎧を脱いでひと休みする様に言います。森の中にて腰を下ろしたり、川の水で顔を洗う等、それぞれリフレッシュをします。

また、同じ場所に偶然いたのが輝日と部下達で、彼女は兵士達を見ながら“やっと皆で帰れるな”と告げます。そして、兵士達も“帰りましょう、国府へ…！”と答えます。

そんななか、同行した村人達が対馬名物のだんつけモチ（小豆で包んだ塩味の餅料理）をこしらえており、一同はそれに舌鼓を打ちます。輝日も周囲の穏やかな顔を見つつ、安らぎのひとときを過ごしているところへ迅三郎が顔を出し、怪我の具合について聞きます。

輝日は“かすり傷だ”と答えるも、迅三郎は自分の口の中で噛み砕いていた「さしも草」を布に吐き、輝日の右肩の傷のところに擦り付けます。

そして、迅三郎は“国府まであと一里もない、無理はするな”と言い、それに対し輝日は“…余計なお世話だ”と照れ臭そうに答えたのでした。その矢先に近くでまたも、ひと悶着があります…。

第十一話

迅三郎達は、山の麓から国府の町を眺めてみる事にしました。しかし彼等の目に飛び込んで来たのは、蒙古軍の襲撃により町人は殺され、建物は焼き払われているという残酷な光景でした。

その光景を見ていた白石は、かつて自分も開拓した土地を奪われた経験がある事を迅三郎に明かし、その事を思い涙していました。

またそこへ居合わせたのが弥次郎で、他の兵士達とも一緒でした。兵士達は、蒙古の襲来から逃げて来た国府に住む家族と再会を果たします。

蒙古軍は佐須と国府の両方、襲うつもりだったそうで、対馬側が佐須にて夜襲を行っていた頃、既に国府に蒙古の襲撃があったとの事です。

弥次郎は“何をどう杭おうが、結局皆死ぬ！こうなれば佐須の合戦も無駄あがきだった、最初から杭うだけ無駄だったんだ！”と、やり場のない怒りを露わにします。そんな彼に対し、背後から蹴り（一喝）を入れたのが迅三郎でした。

更に迅三郎は“なら貴様は、何のためなら杭える？己の命を長らえるためだけか？そんな命こそ、無駄の極みよ”と告げます。迅三郎の言葉に憤慨し、弥次郎が刀を構えようとした時、蒙古軍がやって来るという知らせが入ります。

山道を歩いて来る五騎の蒙古軍兵士の様子を、対馬の兵士や村人達が陰に隠れながら見ていました。漸く彼等が引き返して行こうとしていた時、輝日は一人体を振るわせていました。

蒙古軍により家族や郷里を奪われた彼女はいたたまれない思いになっており、“おのれ！行かせるか!!”と蒙古軍兵士へ矢を放ったのでした…。

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第十二話

蒙古軍からの追っ手から逃れる為に、一同は浅茅湾へ向かいます。その一方、弥次郎と部下達はその場で蒙古軍を迎え撃とうと試みます。

そんななか、彼等との同行に嫌気が差し始めていた鬼武丸が、目の前にいた小柄な中年の男に目を留めます。引きずり出したその男の荷物からは多くの金銭や雑貨類が出て来ます。

その男は以前、迅三郎や鬼武丸らと共に流刑の船に乗っていた男で、国府で盗みを働いていたそうです。男はあまり周囲にもらさない様に促すも、鬼武丸はそれまでの行動から一転、村人達に荷物全てを脅します。

弥次郎が弓を構えた直後、迅三郎が止めに入り、何を考えているのか鬼武丸に尋ねます。“追って来る山犬共に肉切れをほうってやるのよ”と鬼武丸は答え、エサ（奪い取った物）で蒙古の足止めをして時間稼ぎをしようという魂胆でした。

そして、“戦働きの見返りはきっちり頂く”とも言います。

それに対し、迅三郎は“自らを守りたければ、その血肉を引き換えにする覚悟がいる、この山道に城を築きフタをする！”と告げ、この場所に既に“八方割できてる”と言います。

そして迅三郎は、目の前の曲がりくねった道での蒙古軍への太刀打ちの手順について兵士達に説明します。やがて、蒙古軍が近くまでやって来ました…。

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